ニデック純損失5646億円、不正会計受け巨額損失計上で過去最悪の赤字に転落

倫太 笠井
经过

2026年3月期決算で5646億円の純損失を計上

ニデックは9月30日、開示が遅れていた2026年3月期の連結決算を発表し、最終損益が5646億円の赤字となった。前の年度の黒字から大幅に悪化し、純損失は過去最大となった。

不正会計を受けて資産価値や事業の収益性を改めて精査した結果、多額の損失を一括して反映した。自動車や家電向けモーターをはじめ、ほぼすべての事業で将来の業績見通しを見直している。

同社は同日、2026年3月期の有価証券報告書を関東財務局に提出した。当初の提出期限から3カ月遅れており、30日は延期が認められた期限の最終日だった。

資産価値を全面的に見直し6320億円超の損失

今回の巨額赤字につながったのが、6000億円を大きく超える損失の計上だ。不正会計の問題を受け、ニデックは保有資産の評価や各事業の収益見通しについて大規模な再検証を進めた。

その結果、6320億円余りの損失を2026年3月期に反映した。これによってグループ全体の損益は前年度の黒字から5646億円の赤字へと急激に悪化した。

一方、不正会計に伴って公表するとしていた過去5年分の決算の修正版については、作業が完了せず延期となった。決算発表に至ったものの、過去の財務情報を巡る修正作業は引き続き残されている。

利益水増し1607億円、不正会計問題が経営直撃

不正会計を巡っては、昨年秋に設置された第三者委員会による調査が進められてきた。その過程で、不適切な収益計上などを通じた純利益の水増しが累計1607億円に達していたことが判明した。

本社やグループ会社では、経営陣の関与や認識のもとで資産評価を見直す時期を恣意的に検討した疑いを示す資料も複数確認された。こうした問題を受け、創業者の永守重信氏は昨年12月に代表取締役を辞任した。

問題は会計処理だけにとどまらない。家電や自動車向けなどの製品では、顧客の承認を得ないまま設計を変更するなど、約840件の品質を巡る不適切行為も確認されている。

監査法人は2年連続で有価証券報告書に意見示さず

2026年3月期の有価証券報告書について、監査法人は財務諸表が適切かどうかを判断するために必要な証拠を十分に入手できなかったとして、監査意見を表明しなかった。

不正会計に関与した役職員が現在も財務報告の一部に携わっている点なども問題となった。2025年3月期の有価証券報告書についても監査意見は表明されておらず、今回で2年連続となった。

監査法人による意見が得られない状態が続く中、財務報告に対する信頼性をどのように確保するかが重要な問題となっている。巨額赤字の処理と並行し、会計管理体制そのものへの対応も続いている。

社長交代も重なり経営正常化と信頼回復が大きな課題に

経営陣の交代も相次いでいる。永守氏の代表取締役辞任後に経営を担ってきた岸田光哉社長は、過去に適切とはいえない言動が確認されたことなどを受け、9月29日付で辞任した。

後任には専務執行役員だった戒田理夫氏が就いた。決算発表の直前にトップが交代する中、不正会計への対応、品質問題の是正、過去の決算修正という複数の課題が残されている。

5646億円という巨額の純損失を計上したことで、会計問題の影響は業績面でも明確になった。ニデックは財務報告の正常化と事業の立て直しを進めると同時に、相次ぐ不適切行為で損なわれた信頼への対応を迫られている。

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