ドル円は157円後半で上下動続く不安定な展開
10月5日の東京外国為替市場では、ドル/円が157円台後半を中心に方向感を欠く展開となった。午後3時時点では157.83~157.87円と、前週末のニューヨーク市場終盤と比べてわずかにドル安・円高の水準だった。朝からユーロの値動きが大きく、ユーロを介した売買がドル/円にも波及し、158円台への上昇と157円台への下落を繰り返した。
午前9時時点のドル/円は157.73~157.77円だった。5日は企業の決済需要が集中しやすい五・十日に当たり、仲値に向けて輸入企業によるドル買いが入り、相場を支えた。一方、仲値通過後はユーロ/円の下落が強まり、ドル/円も157円台半ばまで値を下げる場面があった。
フランス財政への懸念でユーロ相場に売り圧力
為替市場を大きく動かしたのがユーロだった。フランスの財政を巡る警戒がユーロ売りにつながり、ユーロ/ドルは先週木曜日に1.13ドル台を割り込んだ後、週明け5日には1.12ドルも下回った。午後3時時点では1.1192~1.1193ドルとなり、午前9時の1.1254~1.1255ドルから大きく水準を切り下げた。
ユーロ/円も午前9時の177.53~177.54円から、午後3時には176.66~176.67円まで下落した。東京市場ではこのユーロ安が円相場にも影響を与え、ドル/円の値動きを複雑にした。その後、ロンドン市場でユーロを買い戻す動きが入るとドルが弱含み、ドル/円は再び157円台後半へ押し戻された。
RSIは17.3まで低下し売られ過ぎ領域へ
ユーロ/ドルのテクニカル面では、下落基調の強まりを示す数値が並んだ。10月5日の現値1.1190ドルに対し、ボリンジャーバンドの21日間2σ下限は1.1188ドルと極めて近い。10日移動平均は1.1333ドルに位置し、現値との差は143ポイントまで広がった。
14日間のRSIは17.3まで低下した。RSIは30未満が売られ過ぎ領域とされており、17台という水準はユーロ売りが短期間で進んだ状況を示す。上方には21日移動平均の1.1448ドル、100日移動平均の1.1508ドル、200日移動平均の1.1607ドルなどが位置している。
高市首相の所信表明受け円安修正の動きも
国内では、同日に召集された臨時国会での高市早苗首相の所信表明演説も材料となった。午後2時ごろに演説内容が伝わると、158円台前半にあったドル/円は158円付近まで上値が抑えられた。市場では政府の財政政策に対する姿勢が円相場へ及ぼす影響が意識された。
高市首相は「責任ある積極財政」を掲げながら、経済成長とともに財政規律も重視する方針を示した。消費税減税の財源については、市場の信認を確保するため特例公債に依存しない考えを示したものの、具体的な財源には触れなかった。このため演説を受けた為替市場の反応は限られた。
ユーロの変動と国内政策が円相場左右する局面
5日のドル/円は、輸入企業による実需のドル買い、ユーロの急落と買い戻し、国内の財政政策を巡る材料が重なり、明確な方向を形成できなかった。午前終盤にはドル買いが急速に強まり158円台を回復したが、その後はユーロ反発に伴うドル売りによって157円台後半へ戻った。
特にユーロ/ドルは1.12ドルを割り、RSIが17.3まで低下するなど下降基調が鮮明となった。一方で、売られ過ぎを示す指標も強まっており、10月5日の日足がどのような形で確定するかが焦点となっている。ドル/円ではユーロの不安定な動きと国内の財政政策を巡る材料が重なり、上下双方への振れが目立つ状況となった。
