高市首相、食料品の消費税減税へ財源確保策を説明 基金返納や税外収入の活用を検討

篠宮 文香
经过

食料品の消費税減税に向け財源確保の方針を説明

高市早苗首相は10月19日の参議院予算委員会で、食料品の消費税減税を実施するための財源について、政府の支出と収入を幅広く見直す方針を示した。具体的な資金の確保方法は予算編成の過程で明らかにすると説明し、既存の財政資源を活用する考えを強調した。

政府は、食料品に適用される消費税率を2027年4月から2年間、現在の8%から1%へ引き下げる方針を掲げている。実施には年間約5兆円が必要とされており、財源の裏付けが国会審議の中心的な論点となっている。

高市首相は、予算全体の改革を通じて財政需要に対応する姿勢を示し、国債発行額の管理と必要な政策経費の確保を両立させると説明した。

基金の余剰資金や税外収入を財源候補として提示

政府が検討する財源の1つが、各種基金に積み立てられた資金の国庫返納である。2027年度末には基金残高が約7兆円に達する見通しで、このうち長期間使用されていない資金を国に戻す方法を挙げた。

また、2026年度の税外収入は約9兆円に上り、そのうち約6兆円は用途が特定されていないとして、追加的な活用を検討する方針を示した。外国為替資金特別会計の剰余金についても、過去に防衛費の財源として利用した事例を説明した。

さらに、過去5年間の税収が当初の見通しを30兆円以上上回った実績にも言及した。税収増加分の活用に加え、近年実施してきた大規模な物価高対策も再検討の対象に含めている。

租税特別措置の整理と政府支出の効率化を推進

日本維新の会の猪瀬参議院幹事長は、減税に必要な年間約5兆円を確保するため、企業などを対象とした租税特別措置の抜本的な見直しを求めた。

これに対し、高市首相は、それぞれの制度が果たしている役割を精査し、十分な政策効果が認められない措置については廃止すべきだとの考えを示した。経済成長を促す政策と財政の健全性を維持する取り組みを並行して進める方針である。

補助金の再検討も財源確保策に含まれる。政府は個別の事業や税制優遇措置を検証し、必要性や効果を踏まえて予算配分を見直すとしている。ただし、各項目から確保する金額については、現段階で具体的な内訳を示していない。

国債発行を排除せず年間発行額を適切に管理

国民民主党の浜野総務会長は、減税に伴う税収減少を別の増税や歳出削減で補えば、家計への経済効果が弱まると指摘した。その上で、必要に応じて国債を発行することも選択肢になるとの認識を示し、政府の見解を求めた。

高市首相は、税収の動向を確認しながら予算全体を再構成し、国内総生産(GDP)に対する政府債務残高の比率を安定的に低下させる方針を説明した。

高市首相は、当初予算と補正予算を含む年間の国債発行総額を適切に調整する方針を示すとともに、必要に応じた国債の発行は選択肢として残す考えを明らかにした。

木原官房長官は、この発言が予算編成全体に関する説明であり、消費税減税の財源を特例公債に依存しない従来の方針に変更はないと明確にした。

財源の具体化は予算編成で判断し財政運営と両立へ

食料品の税率引き下げについて、政府は家計の負担軽減額を国民1人当たり年間約3万6000円と試算している。高市首相は、税率の引き下げは基本的に商品価格へ反映されるとの認識を示している。

一方、野党は減税効果の実現性や財源の具体性を引き続き問題視している。政府が提示した基金返納や税外収入などの候補についても、実際にどの程度の資金を確保するかは予算編成で決定する。

高市首相は、既存制度の再検証と税収動向の精査を通じて必要な財政需要に対応する方針を維持した。今後の予算編成では、消費税減税の実施に必要な資金を具体化するとともに、年間の国債発行額をどのように管理するかが重要な課題となる。

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