自民党がガソリン価格の段階的引き上げを提案
自民党は10月26日、政府によるガソリン価格への補助制度を見直すため、支援額を徐々に減らす方針を盛り込んだ提言案をまとめた。2026年12月から2027年春先までの期間に、ガソリンの価格目標を1リットル当たり毎月約5円ずつ引き上げる内容となっている。
政府は現在、全国平均のガソリン小売価格を1リットル170円程度に維持するため、価格上昇分を補助金で補っている。自民党は、この価格水準を段階的に変更することで、政府の支援規模を縮小するよう求めた。
今回の提言は、エネルギーの安定供給と物価上昇への対応を議論する中で取りまとめられた。自民党は近く政府に内容を提出する予定であり、具体的な制度変更は政府による検討を経て判断される。
中東情勢の悪化で再開された燃料価格の支援制度
ガソリン価格を抑えるための補助制度は、2022年に導入された。その後、2025年末にいったん終了したものの、中東地域の情勢が悪化したことを受け、2026年3月に再び実施された。
再開後の制度では、全国平均価格が1リットル170円程度となるように、基準を超えると見込まれる金額を政府が補助している。国際的なエネルギー情勢が不安定になる中、国内のガソリン価格が急激に上昇することを抑える措置として運用されてきた。
今回の見直し案は、こうした価格抑制の仕組みを直ちに終了するのではなく、一定の期間を設けて補助額を減らす内容である。目標価格を毎月約5円ずつ変更することで、支援制度の規模を段階的に調整する方針が示された。
ガソリン価格170円の基準を春先までに順次変更
提言案では、現在の1リットル170円程度という価格目標を固定せず、12月以降、月ごとに引き上げることを基本としている。対象期間は春先までとされ、毎月5円程度の変更を通じて、政府による価格抑制の幅を縮める。
ただし、提言で示された金額は補助制度の目標価格に関するものであり、全国の給油所で実際に販売される価格が一律に毎月5円上昇すると決まったわけではない。自民党が政府に求めているのは、補助金の算定に用いる価格水準の見直しである。
また、制度変更に当たっては、ガソリンの販売現場で混乱が生じないよう配慮する必要性も盛り込まれた。価格を抑制する支援から別の制度運用へ移る過程で、給油所などへの影響を考慮するよう求めている。
ガソリン支援の見直しと並行して冬の光熱費対策も
ガソリンへの補助金を減らす一方、自民党は冬季の電気料金とガス料金に対する支援を政府に要請する方針を示した。2025年の冬と同様に、家庭などの光熱費を軽減する措置の実施を求めている。
今回の提言には、燃料価格への補助を見直す内容と、冬場のエネルギー費用に対する支援を継続する内容が併せて盛り込まれた。ガソリンについては支援規模を縮小する方向を示しながら、電気・ガス料金については別の対応を求める構成となっている。
一方、ガソリン補助金をめぐっては、制度を維持するために多額の公費が投入されていることも議論の対象となっている。支出が1カ月で3000億円を上回った時期もあり、財政負担の大きさが見直しを求める背景となった。
政府が補助金縮小を検討へ、家計支援との調整が焦点
高市早苗首相は10月23日、赤沢亮正経済産業相に対し、ガソリン補助金の制度変更を検討するよう指示した。首相は、与党と野党の双方から財政支出に関する懸念が出ていることを理由として挙げている。
これを受け、自民党は26日に具体的な縮小方法を提示した。12月から春先にかけて価格目標を引き上げる案を軸に、給油現場への配慮や冬の電気・ガス料金支援も政府に求める。
現段階では、補助金の削減幅や実施時期が政府の正式な決定事項となったわけではない。今後は自民党の提言を踏まえ、ガソリン価格への支援をどのような手順で縮小するか、政府が具体的な制度設計を検討することになる。
