過去の衆院選を巡る経費処理に不適切な記録が発覚
武部新農林水産相が過去に実施した選挙活動を巡り、約3000万円に相当する経費が異なる会計書類に重複して記録されていたことが問題となっている。武部氏は2026年10月28日、農林水産省で取材に応じ、事務作業の不備によって正確ではない報告が行われていたことを認めた。
指摘の対象となったのは、2014年と2017年の衆議院選挙に関する支出である。選挙陣営が選挙活動に使用した費用のうち、多くの項目が後援会側の会計書類にも反映されていたという。
同一の経費が別々の報告書に記されていたことで、実際の資金の流れと書類上の処理との関係が問題視された。武部氏は、当時の会計処理を確認した結果、重複が生じていたことを把握したと説明している。
選挙陣営と後援会の会計処理に認識の食い違い
経費が二重に記録された背景について、武部氏は担当者による事務手続きの理解が十分ではなかったと説明した。加えて、提出する書類の内容を精査する作業にも不備があり、誤った記載が残されたという。
選挙陣営の会計書類には、選挙活動で発生した支出が記録される。一方、後援会の政治資金に関する報告書にも、同じ経費が含まれる形となっていた。武部氏の説明では、この処理は実際の資金移動を正しく反映したものではなかった。
問題となった記録は、2014年と2017年の2回の選挙にまたがる。武部氏は、会計担当者の認識に問題があっただけでなく、確認作業が不十分だったことで記載の誤りを防げなかったとした。
約3000万円の資金管理を巡る疑惑に明確な反論
今回の問題では、経費が重複して計上されたことで、差額に相当する資金が別途管理されていたのではないかという疑いも浮上した。これに対し、武部氏は資金を隠して保有していたとの見方を退けた。
武部氏によると、確認作業の結果、問題の経費に関連して後援会へ金銭が提供された事実は見つからなかった。選挙陣営から後援会に対する支払いについても、実際には発生していなかったとしている。
さらに、書類上の重複分を手元に残したり、別の資金として積み立てたりした事実もないと説明した。武部氏は、金銭を不透明な形で管理した問題ではなく、会計書類の作成時に生じた誤りだと主張している。
法律違反には当たらないと説明する一方で謝罪
武部氏は、今回明らかになった会計上の不備について、公職選挙法に反する行為ではないとの認識を示した。ただし、報告内容が不正確だった点を問題として受け止め、国民に疑問を抱かせたことを謝罪した。
一方、対象となる選挙運動費用収支報告書を訂正することはできないという。これらの書類については、選挙管理委員会が保管する期間がすでに満了しているためだ。
その結果、当時の報告内容に誤りが確認されたものの、提出済みの記録を修正する対応は取れない状況となった。武部氏は、書類の修正ができない事情も含めて説明し、問題の経緯を明らかにした。
地域支部の資金報告にも不備が見つかり訂正へ
武部氏の政治資金を巡っては、過去の選挙経費とは別に、北海道の自民党地域支部でも会計書類の不備が確認された。
2022年から2024年にかけて、武部氏が代表を務める地元支部から地域支部へ配分された交付金の一部が、政治資金収支報告書に適切に記録されていなかったという。
この件について武部氏は、地域支部の報告に誤りや記載の欠落があったことを認め、関係する支部がそれぞれ必要な修正を行う方針を示した。
選挙経費の重複問題では裏金の存在を否定した一方、複数の政治資金報告に不備があったことは認めている。武部氏は一連の事務処理について反省の意を示し、国民への謝罪を表明した。
