日本国憲法公布80周年、改憲派が安全保障の課題を提起し9条見直し求める集会開催

槇原 直央
经过

憲法公布から80年を迎え各地で議論が活発化

日本国憲法が公布されてから80年となった2026年11月3日、憲法のあり方をめぐる催しが国内各地で実施された。改正を推進する団体は安全保障環境への対応を主要な論点に掲げ、現行制度の変更を政府に働きかける姿勢を示した。

熊本市では、憲法改正を活動方針の1つとする民間団体「日本会議」が講演会を開催した。主催者によると、会場には約220人が集まり、国の防衛体制や憲法9条の規定について説明を受けた。

講演では、近年のサイバー攻撃や周辺国の軍事能力が取り上げられた。日本の安全保障に関わる問題として、現行憲法のもとで自衛隊がどのように対応できるかが議題となった。

日本会議会長が憲法9条の早期改正を政府に要求

講師を務めたのは、日本会議の谷口智彦会長だ。元内閣官房参与でもある谷口氏は、憲法公布80周年を機に改正の必要性を説明し、とりわけ9条に関する議論を進めるよう求めた。

谷口氏は、北朝鮮がサイバー攻撃に関する技術を高めていることや、中国が電子戦の分野で能力を備えていることを指摘した。そのうえで、日本にもこうした脅威に対応するための手段が必要だとの認識を示した。

さらに、憲法9条の変更を長期間先送りするべきではないと主張した。政府に対して改正を継続的に働きかけることが、団体として果たすべき役割だと位置付けている。

サイバー攻撃と武力攻撃の複合的な脅威を指摘

講演で重視されたのは、情報システムへの攻撃と軍事行動が組み合わされる事態への備えだ。谷口氏は、国内の重要なシステムが機能を失った状況で、さらに武力による攻撃が発生する可能性を取り上げた。

こうした事態に直面した場合、自衛隊が十分な対応を実施できるかについて、現状では見通しが明確でないとの考えを示した。サイバー空間での脅威を、従来の軍事的な問題と切り離さずに考える必要性を訴えた形だ。

谷口氏の説明では、憲法改正は単に条文の変更を目指すものではなく、国家として必要な対抗能力を確保するための課題とされた。安全保障をめぐる問題を背景に、改正に向けた政府への要請を強める方針が示された。

若い世代の参加者からも憲法変更への意見

会場には学生も参加し、憲法改正に対する考えを述べた。大学2年生の女性は、憲法を変更することが直ちに戦争につながるという見方について、過去の時代に基づいた考え方だと受け止めていると説明した。

また、憲法の見直しによって日本の国力が高まるのであれば、変更を肯定的に考えられるとの意見を示した。安全保障や国家の能力という観点から、改正の是非を判断する姿勢がうかがえる発言だった。

講演会では、憲法の規定と現在の安全保障上の課題を結び付けた議論が中心となった。谷口氏による問題提起に加え、参加者からも現行制度の変更に関する考えが示された。

国会前では護憲派も集まり平和と人権を訴え

同じ11月3日、東京都千代田区の国会議事堂前では、憲法の維持を求める市民団体が大規模な集会を実施した。主催者発表の参加人数は約1万4000人に上り、熊本市での講演会とは異なる立場から憲法の意義が語られた。

集会では、基本的人権の保障や戦争への反対が主なテーマとなった。憲法問題に詳しい内田雅敏弁護士は、憲法に定められた権利を社会の中で十分に実現していく必要があると述べた。

前沖縄県知事の玉城デニー氏も登壇し、戦争を拒む意思を広く共有するよう呼びかけた。参加者は横断幕などを掲げ、憲法の尊重や平和の維持を求めた。

公布から80年という節目に、改正を求める側は防衛能力の確保を重視し、現行憲法を支持する側は人権と平和の理念を前面に出した。それぞれの集会で、憲法の役割に対する異なる認識が示された。

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