Tag: エネルギー政策

冬季の電気ガス補助を増額する政府調整の動きが鮮明に

家庭向け支援額を拡大する方針が示された背景 政府は2026年1~3月に予定している電気・ガス料金補助を当初案から引き上げ、1月分は平均的な家庭で3000円超とする方向に傾いた。従来想定されていた月2000円規模では負担軽減が不十分と判断し、冬の需要期に合わせて補助を厚くする構えを固めた。家計の負担圧縮を求める声が与党内で強まっていたことも影響し、対応の再検討が急速に進んだ。 補助額拡大の調整過程と月別の支援見通し 関係者によると、当初は1~3月の総額を約6000円で想定していたが、1月の増額に加えて2月分の追加措置案も浮上している。寒さが厳しくエネルギー使用量が増える時期に重点を置き、早期に実効性ある対策を届ける考えがある。3月は季節要因を踏まえ縮小の方向で詰められており、月別の強弱をつけた支援策となる見通しだ。 財源規模の拡大と経済対策への反映が進む 政府は総合経済対策に今回の補助措置を盛り込む方針で、21日にも閣議決定する方向で最終調整を進めている。裏付けとなる2025年度補正予算案の一般会計歳出規模は、前年度の13.9兆円を上回る可能性が高い。物価高に対する緊急的な対処を優先した構成が特徴となり、電気・ガス支援はその中心に位置付けられる。 過去の補助実績と今回措置の位置付けが示す課題 政府は2025年7~9月にも電気・ガス料金の補助を実施し、家庭の使用量が最も高かった8月には1260円、7月と9月には1040円を充当した実績がある。これに先立つ2023年から、エネルギー価格の高騰を受けた一連の補助が段階的に続けられてきた。段階的縮小と再開を繰り返す形で支援が続き、制度運用の難しさが浮かび上がっている。 累計規模5兆円超となる補助の継続と動向が注目される これまでの累計予算は約4兆5688億円に達しており、今回の追加措置により総額は5兆円規模へ膨らむ見通しだ。エネルギー情勢の不安定さが続く中、負担緩和を重視する政府方針は次期冬場に向けた重要な施策となる。補助の運用と規模のあり方が今後の焦点となり、支援策の調整は継続する流れが見込まれる。

AI時代の電力危機に対応 グーグルが原発電力契約

再稼働原発の電力を25年供給契約 米グーグルは27日、アイオワ州の「デュアン・アーノルド・エナジー・センター(DAEC)」から電力を25年間にわたって調達する契約を発表した。閉鎖から5年を経て再稼働する同原発を運営するのは、電力大手ネクステラ・エナジーである。契約はAIとクラウド分野の拡大に伴う急増する電力需要を背景とする。 AI開発が招く電力供給の逼迫 生成AIの普及により、世界各地のデータセンターでは電力使用量が過去最大規模に達している。米国内でも供給網への負荷が問題となっており、電力調達を巡る競争が激化している。グーグルは再生可能エネルギーのみでは賄えない需要に対応するため、原発の電力を活用する方針を明確にした。 再稼働計画と政府承認の行方 DAECは2020年に停止したが、ネクステラは当局の承認を経て再稼働を目指している。2029年春までに全面稼働を実現する計画で、発電能力は615メガワット。安全基準の更新や設備改修を進め、クリーンかつ安定した電源としての再評価が進んでいる。 米IT企業全体で高まる原子力利用の動き AIを中核とした新産業構造の中で、マイクロソフト、アマゾン、メタなども同様に原発電力の活用を模索している。原子力は温室効果ガスを排出せず、安定供給が可能な点で再生可能エネルギーを補完する選択肢とされる。 エネルギー転換の象徴的動きに グーグルの今回の決定は、デジタル産業におけるエネルギー転換の象徴といえる。AI分野の成長が続く中、企業の電力戦略は脱炭素と安定供給の両立を迫られている。原子力の再評価は、今後の米エネルギー政策全体の方向性を示す動きともなりうる。

美浜原発新設に向けた調査再開の背景と今後の課題

美浜原発で次世代原子炉建設に向けた調査開始 関西電力は2025年7月22日、福井県美浜町の美浜原子力発電所敷地内で次世代型原子炉建設に向けた地質調査を再開すると正式に発表した。この調査は、原発新設に向けた最初のステップであり、福島第一原発事故後、初めて原発新設に向けて動き出したことを示す重要な進展だ。 福島事故後初の原発新設に向けた動き 関西電力は、2011年の東京電力福島第一原発事故以降、原発の新設に向けた取り組みを中断していたが、現在のエネルギー政策転換に伴い、美浜原発敷地内での次世代型原子炉建設に向けた調査を再開することを決定した。調査は数年を要する見込みで、環境影響評価なども行われる予定だ。 地元住民と地域理解の重要性 地元美浜町では、原発新設に賛成する声と反対する声が分かれている。賛成派は、原発建設が地元経済の活性化や雇用創出を促すと期待している一方、反対派は原発事故のリスクを懸念している。関西電力は、地元住民の理解を得るため、慎重かつ透明な説明を行う方針だ。 政府のエネルギー政策に基づく新原発建設の意義 政府は、原発を最大限活用する方針を掲げており、関西電力もその方針に従って次世代型原子炉建設を進める。原発の新設に向けては、経済効率性や安全性を重視し、地域や環境への配慮が求められる。関西電力は、原発新設の必要性を強調し、慎重に進めていく考えだ。 事業の実現に向けた今後のスケジュール 関西電力は、地質調査を完了した後、環境影響評価や設計を具体化し、事業の実現可能性を判断する予定だ。運転開始時期については不透明だが、調査結果をもとに慎重に進行する考えが示されている。今後数年をかけて、事業の成否が決まることになる。