生成AI分野での協業拡大が判明 米グーグルは、アップルと生成AI分野で数年間にわたる戦略的提携を結んだと発表した。アップルは、次世代AIの基盤技術としてグーグルの「ジェミニ」を採用し、自社のAI機能全体の性能向上を進める。競合関係にある両社が技術面で手を組む構図が明確になった。 ジェミニ評価と採用理由の整理 グーグルは声明で、アップルがジェミニを「最も能力の高い基盤」と評価したと説明した。生成AIの精度や拡張性が評価対象となり、アップル独自の「アップル・インテリジェンス」を補強する役割を担う。自社開発だけに依存しない姿勢が鮮明になっている。 Siri最適化と利用体験の変化 新たなAI基盤の導入により、音声アシスタントSiriは年内に最適化された機能を提供する見通しだ。複雑な質問への対応力が高まり、利用者の指示理解や応答速度の改善が進む。日常利用を想定した実用性重視の改良が中心となる。 株式市場が示した評価の動き 報道を受けた米株式市場では、アルファベット株が急伸し、時価総額が初めて4兆ドルの大台に乗った。生成AI分野での主導権を強めたとの見方が広がり、投資家の期待が反映された。一方、アップル株への影響は限定的だった。 業界内からの懸念と指摘 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者は、検索やOSを含む技術集中への懸念を示した。AIインフラへの巨額投資が続く中、競争環境の公平性が議論の対象となっている。
再稼働原発の電力を25年供給契約 米グーグルは27日、アイオワ州の「デュアン・アーノルド・エナジー・センター(DAEC)」から電力を25年間にわたって調達する契約を発表した。閉鎖から5年を経て再稼働する同原発を運営するのは、電力大手ネクステラ・エナジーである。契約はAIとクラウド分野の拡大に伴う急増する電力需要を背景とする。 AI開発が招く電力供給の逼迫 生成AIの普及により、世界各地のデータセンターでは電力使用量が過去最大規模に達している。米国内でも供給網への負荷が問題となっており、電力調達を巡る競争が激化している。グーグルは再生可能エネルギーのみでは賄えない需要に対応するため、原発の電力を活用する方針を明確にした。 再稼働計画と政府承認の行方 DAECは2020年に停止したが、ネクステラは当局の承認を経て再稼働を目指している。2029年春までに全面稼働を実現する計画で、発電能力は615メガワット。安全基準の更新や設備改修を進め、クリーンかつ安定した電源としての再評価が進んでいる。 米IT企業全体で高まる原子力利用の動き AIを中核とした新産業構造の中で、マイクロソフト、アマゾン、メタなども同様に原発電力の活用を模索している。原子力は温室効果ガスを排出せず、安定供給が可能な点で再生可能エネルギーを補完する選択肢とされる。 エネルギー転換の象徴的動きに グーグルの今回の決定は、デジタル産業におけるエネルギー転換の象徴といえる。AI分野の成長が続く中、企業の電力戦略は脱炭素と安定供給の両立を迫られている。原子力の再評価は、今後の米エネルギー政策全体の方向性を示す動きともなりうる。
初の包括的AI規制が法制化 米カリフォルニア州で、人工知能開発を対象とする包括的規制が成立した。ニューサム知事は29日、最先端AIのリスク管理を義務化する法案に署名し、州として主導的役割を果たす姿勢を明確にした。 リスク評価と開示の義務付け 成立した「SB53」は、AIがもたらす壊滅的リスクを事前に評価し、その対策を公表することを義務付ける。特に人間の制御を離れる可能性や、生物兵器への悪用といった事態に対応する計画を明示しなければならない。違反すれば最高100万ドルの罰金が課される。 州経済とテック産業への影響 シリコンバレーにはオープンAI、グーグル、メタ、エヌビディアといったAI関連大手が集積している。州政府は、この新法によって安全性の確保とともに、経済におけるリーダーシップを強化する狙いを示している。 政治的意義と連邦への波及効果 知事室は「連邦議会が対応を先送りしている空白を埋めるもの」と説明。カリフォルニア州がモデルケースとなることで、全米に規制の波が広がる可能性がある。ニューサム知事は将来の大統領候補としても名前が挙がっており、その動きは全国的にも注視されている。 業界の賛否と規制の課題 AI企業関係者は「安全とイノベーションのバランスを取るもの」と歓迎する一方、投資家やベンチャー関係者からは「スタートアップには対応が困難」との懸念が表明されている。州単位の規制が全米の産業構造にどう影響するか、今後の動向が注目されている。
検索独占訴訟で裁判所が新たな是正策を発表 米ワシントンの連邦地裁は9月2日、グーグルが検索市場を違法に独占していたとする訴訟において、新たな是正措置を命じた。判事は、同社に対して一部検索データを競合他社に提供する義務を課したほか、検索関連の独占契約締結を禁じた。これにより市場競争の回復を促す狙いが示された。 クローム売却は不要とする判決が公表 司法省が強く求めていたウェブブラウザー「クローム」の事業売却については、裁判所は「違法行為に直接利用されていない」として回避。グーグルにとって主要な収益源である広告事業の中核が維持される結果となった。これにより同社は大規模な事業再編を免れた形だ。 アップルとの契約維持が確認される 判決では、検索エンジンをデフォルト設定にするための第三者への支払いについては全面禁止とせず、アップルが引き続きグーグルから年間200億ドル超の収入を得ることが可能となった。判事は、支払いを打ち切れば市場や消費者に深刻な影響を及ぼすと説明した。 競合他社と規制当局の反応が分かれる ダックダックゴーのCEOは「是正措置は十分ではない」と批判した一方、司法省は「公正な競争環境の回復に向けた前進」と評価。グーグルは声明で、AIによる産業変化が認められたことを歓迎しつつ、データ共有義務が利用者やプライバシーに悪影響を及ぼす懸念を示した。 今後のテック業界への波及が焦点に 今回の判決は有効期間を6年間とし、他の大手テクノロジー企業に対する類似訴訟に影響を及ぼす可能性が指摘されている。今後、司法省が上訴に踏み切るか、また業界全体で競争環境がどのように変化するかが注視されている。
AI市場競争を背景にした戦略的インフラ投資 米グーグルが人工知能とクラウドの処理能力強化に向け、大規模な地域投資を打ち出した。オクラホマ州を拠点に、インフラと教育支援の両面から米国内の技術基盤を拡張する構想だ。今回の発表は、世界的に競争が激化するAI分野での優位性を確保するための一手とされる。 オクラホマ州に新拠点と既存施設拡張を発表 グーグルはスティルウォーターに新たなデータセンターを建設し、プライヤーの施設も増強する。これにより米国内のAIとクラウドの処理能力を高め、急増するサービス需要への対応力を確保する狙いがある。今回のプロジェクトは、オクラホマ州の経済活性化にも寄与するとみられ、雇用創出や関連産業への波及効果も期待される。 既存の投資計画に追加される資金 発表された支出の一部は、既に公表されている2025年の設備投資計画に組み込まれており、残りは将来のプロジェクトに充てられる。親会社アルファベットは年間設備投資額を750億ドルから850億ドルに引き上げ、今後もさらなる拡大を見込む姿勢を示している。この動きは、急速な技術革新への対応と市場シェアの拡大を目指す企業戦略の一環と位置付けられる。 教育・人材育成プログラムにも注力 今回の発表に先立ち、グーグルは米国内の高等教育機関や非営利団体向けにAI教育支援として10億ドルを拠出する計画を明らかにしている。既に100を超える大学が参加しており、その中にはテキサスA&M大学やノースカロライナ大学といった大規模な州立大学システムも含まれる。これにより、AI技術に対応できる高度な人材の育成が加速する見通しだ。 国内回帰政策が企業投資を後押し トランプ政権が掲げる国内回帰戦略も、この投資方針に影響している。半導体やAIを手がけるマイクロン、エヌビディア、CoreWeaveなどは米国内での設備投資を拡大中で、世界的な供給網の安定と国内製造・開発力の強化を目的としている。
グーグル、AI技術で好決算を記録 米グーグルの親会社アルファベットは、2025年4〜6月期決算を発表した。この期間の純利益は前年同期比で19%増の281億9600万ドル(約4兆1千億円)となり、主力事業である検索広告やクラウドサービスの好調が反映された。特に、グーグルが自社開発した生成人工知能(AI)の技術が、事業全体の成長を大きく牽引した。 広告収入の増加 全体の売上高は14%増の964億2800万ドルとなった。その中でネット広告が713億4千万ドルを記録し、前年同期比で10%の増加を達成した。特に、検索連動広告が12%増の541億9千万ドルを達成し、グーグル検索などの収益が強化された。YouTubeの広告収入も13%増の97億9600万ドルに達し、ビデオコンテンツを活用した広告戦略の効果が現れた。 クラウド事業が32%増 企業向けクラウドサービスの売上高は32%増の136億2400万ドルを記録し、AI専用の半導体が利用されるクラウドサービスへの需要が拡大した。グーグルのクラウド事業は、特にデータ処理能力に強みを持つ自社開発のAI半導体を活用し、企業向けサービスの成長を支えている。 ピチャイCEO、AIの役割を事業戦略に強調 アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは、声明で「AIが事業全体の成長を支えている」と述べ、今後もAI技術を駆使して競争力を強化する方針を示した。また、積極的な設備投資を続け、さらなる事業成長を目指すとした。AI技術が企業の成長に与える影響は、今後の展開においても大きな要素となりそうだ。 今後の投資計画と競争力強化 アルファベットは、AI技術の進展を背景に、さらに事業成長を目指して積極的な設備投資を行う計画だ。AIの発展に伴い、新たな市場機会が創出され、グーグルはその領域でも競争力を高めるための施策を強化する見込みだ。AI技術の革新が、今後もグーグルの成長を牽引し続けると確信されている。
トランプ氏の強硬姿勢がカナダ政府の決断に影響 カナダは、米国の主要テクノロジー企業に課税するはずだったデジタルサービス税を、開始前日に断念した。27日、トランプ氏がSNS上でこの課税を厳しく糾弾し、関税強化と貿易協議の打ち切りを示唆したため、カナダ政府は29日に税制導入の撤回を決定した。 デジタルサービス税の内容と背景が明らかに 撤回されたDSTは、アマゾンやアップル、グーグル、メタといったアメリカ企業がカナダ国内で得る年間2,000万カナダドル超のデジタル収入に対し、3%を課税する制度だった。これは2020年に導入が発表されていたもので、カナダ国内での収益に比して納税が行われていない状況を是正するために設計されていた。 経済依存関係が外交判断に影響を及ぼす構図 アメリカはカナダにとって最大の貿易相手国であり、カナダの輸出の約76%、年間4,000億米ドル以上がアメリカ向けである。一方、アメリカの輸出先としてのカナダの比率は約17%に過ぎない。この非対称的な経済依存が、カナダ政府の譲歩の背景にあると見られている。 カナダ新政権と米国の関係修復の動きが進展 カナダでは、中央銀行総裁を歴任したマーク・カーニー首相が新たに政権を担っており、対米関係の修復が主要課題とされている。両国は7月21日までに新たな貿易枠組みの合意を目指しており、今回の措置はその布石と位置付けられる。 米国企業の課税回避問題は国際課題に発展 デジタル大手の税負担軽減は、企業構造による合法的な措置であるが、世界中で批判の的となっている。イギリスをはじめ複数国が独自課税を検討する一方、カナダは多国間合意の必要性を訴えており、今後は経済協力開発機構(OECD)などの場で議論が進められる可能性がある。
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