外交官標的の手口が国際社会に波紋広げる 米国務省の発表によると、AIを悪用してルビオ国務長官の声を模倣した音声メッセージが外国の外相3人および米当局者2人に送られていた。これらはすべて暗号化通信が可能なアプリ「シグナル」を通じて行われ、音声だけでなくテキストでも接触が試みられていた。関係当局は、なりすましの意図が何であったかを含め、事案の詳細を調査している。 AI音声とテキストが情報収集手段に悪用か 関係筋が確認した外交公電では、AIで作成された音声や文面を利用し、標的となった人物から情報やアカウントへのアクセスを得ようとしたとみられる。特に、音声による信頼の獲得が意図されていた可能性が高く、従来のフィッシング攻撃に比べ、高度で精巧な手法として警戒感が広がっている。標的の一部は州知事や米議員も含まれていた。 直接的な被害確認はないが潜在的リスクも 今回の事案では、現時点で不正アクセスなどの直接的な被害は報告されていない。しかし、外交文書では「対象人物が信じて返信した場合、意図せず機密情報が第三者に流出するリスクがある」と警告されている。国際的な影響が出る恐れもあり、各国の対応が注目されている。 国務省とFBIが調査を進行中 米国務省のブルース報道官は8日の記者会見で、報道内容を正式に認めた上で「情報の保護は極めて重要な任務であり、サイバーセキュリティ体制の見直しと強化を継続する」と述べた。加えて、米連邦捜査局(FBI)も5月に同様のAIを利用した詐欺行為の警告を発しており、今回の事案との関連性も含めて捜査が行われている。 AIなりすまし事案が相次ぎ対策が急務に 今年5月には、ワイルズ大統領首席補佐官を装うAI音声が上院議員に発信されたと報じられており、今回の事件と類似している。さらに、過去にはロシアに関係するハッカーが国務省職員になりすまし、東欧の活動家や元外交官に対しフィッシング攻撃を行っていた事例も確認されている。AIの進化により、従来の認証手段が機能しなくなる懸念も浮上している。
不正売買の被害額は半年間で5,700億円超に 金融庁は7月7日、2025年上半期に確認された証券口座の不正売買について報告した。被害件数は7,139件に上り、不正取引額は5,700億円超に達した。これは、インターネットを介した証券取引の急速な拡大とともに、セキュリティ対策の遅れが浮き彫りになった形だ。 6月は前月比で被害件数・金額ともに減少 6月の不正取引が発生した証券会社は7社と、5月の16社から半数以下に減少。件数・金額の両面で縮小傾向が見られた。これは、各社が導入した新たな本人確認手続きやセキュリティ対策が一定の効果を発揮している可能性がある。 フィッシング詐欺が主な手口と判明 不正アクセスの大半は、ユーザーを本物と見間違う偽サイトに誘導し、IDやパスワードを盗むフィッシング詐欺によって実行された。ネット取引に慣れた利用者であっても、この手口に引っかかるケースが相次いでおり、金融リテラシーの再確認が求められる。 不正売却・買い付けの内訳も公表される 金融庁によると、1~6月の不正な売却額は約3,044億円、買い付け額は約2,666億円とされる。売りと買いの両面で大規模な取引が行われており、被害は一部の投資家にとどまらない深刻な広がりを見せている。 証券会社は原状回復措置を検討中 現在、証券業界では多要素認証の必須化が進められており、不正アクセスの抑止に取り組んでいる。一部の企業では、勝手に売却された株式を元に戻す原状回復措置を取る動きも出ており、被害者救済の枠組み整備が進行中である。
Sign in to your account