輸出管理発表で表面化した摩擦 中国が発表した日本向け軍民両用製品の輸出管理強化は、日中関係に新たな緊張をもたらした。日本政府は発表直後に抗議を行い、措置の撤回を正式に要求している。 政府内では、今回の対応が日本のみを対象としている点が問題視され、外交上の影響を慎重に見極める必要があるとされている。 日本政府の対応と問題点の指摘 外務省の金井正彰アジア大洋州局長は、中国大使館の施泳次席公使に対し、措置の撤回を申し入れた。日本側は、対象品目や運用基準が明示されていない点を強く問題視している。 木原官房長官は会見で、内容が不透明なままの規制は受け入れられないとの立場を示し、政府として影響分析を進める考えを明らかにした。 レアアース規制への懸念と産業界の影響 日本政府が特に注視しているのが、レアアースが規制対象に含まれるかどうかである。レアアースは中国以外からの調達が難しい資源であり、国内製造業への影響は避けられないとされる。 現時点では輸出量に減少は見られないが、規制が本格化した場合、企業の調達戦略に影響を及ぼす可能性がある。 台湾有事を巡る発言と中国側の反応 今回の措置の背景として、台湾情勢を巡る高市首相の国会答弁が挙げられている。中国側は答弁を問題視し、日本に対する強硬な姿勢を強めてきた。 中国外務省の報道官は、今回の輸出管理について「正当かつ合法」と主張し、日本側に問題の根本原因を直視するよう求めている。 国際供給網への影響と今後の見通し 日本政府は、今回の規制が日中二国間にとどまらず、米国を含む国際的なサプライチェーンに影響を与える可能性を懸念している。先端産業を中心に、供給の安定性が重要な課題となる。 今後は、中国側の具体的な運用方針と、日本政府の外交的対応が国際的にも注目されることになる。
国会答弁を巡る両政府の姿勢が対立し続ける構図が鮮明 外務省の金井正彰アジア大洋州局長は18日、北京で中国外務省の劉勁松局長と会い、数時間にわたり意見を交わした。協議の中心となったのは、高市早苗首相が台湾有事を巡って示した国会発言で、日本側は従前の政府方針と矛盾しないと説明したうえで、撤回には応じない立場を堅持した。中国側はこれに強く反発し、発言そのものが両国間の合意文書に反すると指摘して撤回を要求した。 総領事の投稿を受けた日本側の抗議と即時対応を求める動き 金井氏は協議の場で、中国の薛剣駐大阪総領事がX上で高市首相の発言に絡めて過激な表現を投稿した点を改めて問題視し、速やかな処理を求めた。日本側は外交官として不適切との認識を示し、事態の是正を求める强い姿勢を明確にした。これに加え、在留邦人の安全確保に不安を与える要素が生じているとして、中国当局に対し具体的な保護措置を講じるよう申し入れた。 渡航自粛要請を巡る双方の応酬と日本側の治安に関する反論 中国政府が日本への渡航自粛を促している点について、日本側は治安が悪化しているとの見方を否定し、中国側の判断は事実に基づくものではないと反論した。金井氏は、在留邦人に不必要な不安を与え、長年積み重ねてきた交流に悪影響を及ぼしかねない措置だと指摘した。日本側は冷静な対応を求めつつ、邦人保護のための協力体制を維持する意向を示した。 中国側の反応と発言撤回を求める主張が続く外交的圧力 中国外務省の毛寧報道官は会見で、協議において日本側の発言に対し厳しい異議を申し入れたと説明した。毛氏は、高市首相の国会答弁が「中国人民の怒りを招いた」と強調し、発言が1972年の共同声明などの精神を損なうと主張した。中国側は政治的基礎の維持を強調し、日本側が偏りを正すべきだとの立場を繰り返した。 G20開催を控えた中で示された日本側の姿勢と対話継続の意向 木原稔官房長官は同日の会見で、首相発言は従来方針を変更するものではないと明言し、撤回に応じる考えがない姿勢を再確認した。南アフリカで行われるG20首脳会議での高市首相と李強首相の会談は現時点で予定されていないと中国側は述べているが、日本側は対話の可能性を閉ざしていないと説明した。茂木敏充外相も、中国側の渡航自粛要請は人的交流の流れに反すると指摘し、幅広い分野で意思疎通を深めることが必要だと述べた。
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