政府が重視する経済安全保障の背景が判明 日本政府は近年、半導体分野を経済安全保障の中核に位置付けている。供給網の安定確保は国家戦略として欠かせず、その一環として東京エレクトロンの役割が注目されている。今回、赤沢亮正経済再生担当相が宮城県大和町の工場を訪れたのも、その重要性を改めて確認する狙いがある。 東京エレクトロン工場が果たす役割を発表 視察先の大和町工場は、半導体製造に不可欠なプラズマエッチング装置の開発と生産を担っている。基板上の膜を精密に削る工程は高度な技術を要し、同社は世界市場でも高いシェアを維持している。こうした現場を政府関係者が直接確認することは、産業政策の後押しとして大きな意味を持つ。 工場の増強計画と市場拡大の影響 社会のデジタル化進展により半導体需要は拡大している。東京エレクトロンはそれに応えるため、生産設備の拡張を進めている。政府支援と企業の積極的な投資が連動することで、日本の半導体産業基盤が一層強化される見通しだ。 政府・企業間の意見交換が実施された 赤沢氏は製造ラインを確認した後、河合利樹社長ら経営陣や技術者と意見を交わした。会談では研究開発や供給網の課題など幅広い論点が話し合われ、官民の連携強化が意識された。経済安全保障を前提とした協力体制の構築が進んでいることが示された。 日本の半導体産業への展望を強調 視察後の記者会見で赤沢氏は「わが国の半導体産業の未来には明るい希望がある」と述べた。政府は引き続き支援策を打ち出す方針であり、国際的競争力を高める取り組みが継続される見通しだ。今回の訪問は、日本が再び半導体大国としての地位を確立するための重要な一歩といえる。
市況悪化で統合決断に至った背景 三井化学、出光興産、住友化学の3社は、ポリエチレンやポリプロピレンを含む「ポリオレフィン」事業を統合することで合意した。発表は9月10日に行われ、統合の実施は2026年4月を予定している。背景には、中国の過剰供給による価格下落や需要減少があり、国内石油化学業界全体が収益力を落としている状況がある。 合弁会社への住友化学参入が判明 三井化学と出光興産は既に合弁会社「プライムポリマー」を運営しており、今回そこに住友化学が合流する形で統合が実施される。統合後の出資比率は三井化学が52%、出光興産が28%、住友化学が20%と設定され、3社による協力体制が整う。これにより国内市場で3割超のシェアを持つ大規模事業体が誕生する。 生産設備の集約と合理化を発表 事業統合後には、ポリエチレンとポリプロピレンの一部生産設備を停止する方針が明らかにされた。生産能力の見直しにより効率化を図り、国際競争に対応する体制を整える。国内全体のポリオレフィン生産能力は約583万トンとされており、統合後の新体制はその中でも大きな割合を担うことになる。 雇用維持と産業全体への影響 今回の統合により雇用への影響はないと説明されている。しかし、統合規模が大きいことから、国内石油化学産業の再編に波及効果を及ぼす可能性がある。実際、エチレンなどの基礎原料でも生産設備集約の動きが加速しており、今回の統合は業界再編の一環とみられる。 企業トップが語る事業基盤強化の姿勢 三井化学の橋本修社長はオンライン会見で「他社との協力により、事業基盤を強化する段階に入った」と強調した。さらに「高収益な事業体制を目指し、スピードを持って実現する」と述べ、今後の競争力向上に意欲を示した。
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