世界都市ランキングで東京が示した存在感 森記念財団都市戦略研究所が公表した2025年版の世界都市総合力ランキングで、東京は初めて2位に位置付けられた。これまで9年連続で3位だった順位を上回り、国際都市としての評価が一段と高まった形だ。評価対象は世界48都市で、経済や文化、居住など6分野72指標を基に算出されている。 観光資源と訪日客増加が評価を後押し 東京の順位上昇に大きく寄与したのが観光関連の指標である。飲食店の選択肢が豊富である点に加え、訪日客数が増加したことが高評価につながった。円安を背景に物価水準が相対的に抑えられている点も、滞在のしやすさとして評価された。 環境分野で高得点、持続可能性が焦点に 今回の調査では、企業の脱炭素化など持続可能性への取り組みが新たに重視された。東京は環境分野で特に高い評価を獲得し、総合順位を押し上げた。都市政策や企業活動における環境意識の高さが、国際的な評価基準に合致した結果といえる。 経済分野に残る賃金と人材の課題 一方で、経済分野の順位は前年から後退した。賃金水準の高さや優秀な人材を安定的に確保できる環境では、上位都市との差が残った。研究所は、通信環境などビジネス基盤の整備や人的投資の強化が今後の課題になると指摘している。 国際競争力向上へ求められる次の一手 東京は観光や環境分野で存在感を示したものの、経済面での底上げが今後の焦点となる。ロンドンが首位を維持し、ニューヨークが物価高の影響で順位を落とす中、東京が安定して上位を保つためには、生活環境と成長力の両立が不可欠とされている。
万博会場から広がる関西観光の動き 大阪・関西万博期間中、会場最寄りの大阪メトロ夢洲駅を利用した訪日客の移動データから、関西圏各地を巡る観光行動が明らかになった。三井住友カードがクレジットカードによるタッチ決済記録を分析したところ、兵庫、奈良、京都といった周辺地域への訪問が多く、関西全体での回遊が活発だった。 米国・サウジ・タイの来訪者が上位に 夢洲駅を利用した海外客のうち、米国人が最も多く、次いでサウジアラビア、タイが上位を占めた。次期万博開催国のサウジからの来訪者も目立ち、国際的関心の高さを裏付ける結果となった。これらの旅行者の一部は、万博後に香川・直島や和歌山・高野山など、文化・宗教に関連する地域を訪れたという。 関西鉄道の利用者が8割増に拡大 三井住友カードの分析では、2025年3月時点で1日平均約7万3千人だった関西鉄道のタッチ決済利用者が、9月には約13万1千人に増加。万博がキャッシュレス化を全面導入したことで、支払い手段としての認知度が一気に広まった。国内利用者が約11万8千人、海外利用者が約1万2千人と、広範な層で利用が進んだ。 鉄道各社への導入拡大と利用定着 2024年以降、関西では阪急電鉄、阪神電気鉄道、近鉄、大阪メトロなどが相次いでタッチ決済を導入。公共交通向け決済システム「stera transit」を通じ、利便性が大幅に向上した。導入初期から1年で月間利用者数は15倍以上に拡大し、地域インフラとして定着しつつある。 万博後も続くキャッシュレス化の波 三井住友カードの担当者は、「万博を契機にタッチ決済が日常的な選択肢として定着した」と述べた。会場内での完全キャッシュレス運用が利用体験を後押しし、訪日客が各地で文化や芸術に触れる機会を広げた。関西発のキャッシュレス推進が、今後の観光・交通分野における新たな標準となりつつある。
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