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米S&P500が最高値更新も、貿易政策に不安残る

自動車大手の下落が市場に影を落とす 7月22日の米国市場では、ゼネラル・モーターズが通商政策の逆風を受けて急落し、相場に圧力がかかった。同社は決算で、関税が業績に11億ドル規模の損害を与えたと明示し、市場の警戒感が一気に高まった。これにより、フォードを含む他の自動車株も連れ安となり、セクター全体が売り込まれた。 テスラとアルファベットが堅調に推移 一方で、テスラは1.1%上昇、アルファベットも0.65%の上昇を記録した。決算発表を控えたこれらの大型テクノロジー株に対する投資家の期待感が買いを誘ったとみられる。人工知能関連への積極的な投資姿勢が株価を支える要因となっており、S&P500全体を押し上げる構造が見られた。 ロッキード・マーチンなど防衛関連に売り圧力 防衛産業ではロッキード・マーチンが四半期利益を約80%減少させたことで、株価が11%近く下落した。また、RTXも関税影響で通期利益見通しを引き下げ、1.6%下落するなど、地政学的な緊張と通商政策が業績に影響を与える構図が明らかとなった。 住宅セクターが相場を支える動き 米住宅建設大手DRホートンは四半期決算が好調で、受注や利益が市場予想を上回ったことから株価が上昇。同業のレナーも連れ高となり、住宅関連セクターが全体相場の下支え役を果たした。高金利環境下でも住宅需要が堅調であることが市場に安心感をもたらした。 今後の焦点は米中協議と通商合意の行方 8月1日には米政権が通商協議の合意期限として設定しており、市場ではその動向が大きな注目材料となっている。米中は7月28〜29日にストックホルムで協議を予定しており、関税停止措置の延長可否が焦点となる。また、トランプ大統領がフィリピンとの通商合意の可能性に言及したことも、外交政策における変化の兆しとして注目されている。

米欧、航空機関税の緩和に向け最終調整段階

協議進展を認めたEU委員、合意の見通しを表明 EUとアメリカの通商交渉が最終局面に入っている。EU側で交渉を担うシェフチョビッチ欧州委員は、7月9日の声明で「協議は建設的であり、近く決着することを期待している」と述べ、合意間近との認識を示した。背景には、アメリカのトランプ大統領が打ち出した相互関税の一時停止措置の延長がある。 トランプ政権、EUへの対応は依然不透明なまま アメリカは各国に対し新たな関税率の通知を送付済みだが、EUに対する対応については明言を避けている。トランプ大統領は8月1日までの一時停止延長を表明しているが、その後の措置については不透明なままだ。EUはこの状況下でも、制裁措置の発動を見送るかたちで交渉の継続を選んでいる。 航空機分野でエアバスを中心に暫定合意案が浮上 関税交渉の要点となっているのは、航空機および関連部品に課される関税の取り扱いだ。EU当局の説明では、アメリカとエアバスなどの欧州大手航空機企業を対象とする関税の段階的な引き下げについて、合意に近づいている段階にあるという。航空分野はEUにとって経済的な中核産業であり、その処遇は交渉全体の方向性を決定づける。 自動車関税では米国内生産車の扱いが争点に 航空機と並んで焦点となっているのが自動車分野である。EU側は、アメリカ国内に生産拠点を持つ自動車メーカーに限って、一定の関税免除措置を適用する案を提示し、アメリカ側と協議を継続している。これによりアメリカ側の産業保護政策とEUの自由貿易方針とのバランスを図る試みが見て取れる。 対抗措置を留保したEU、妥結の行方に注目集まる EUは、報復関税などの対抗措置を現時点では留保しており、交渉による妥結を最優先としている。この姿勢は、経済的摩擦の激化を回避する意図と見られており、交渉が合意に達するかどうかが今後数週間の注目点となる。