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NTTモビリティ始動、公共交通自動運転を一体支援へ

公共交通向け自動運転事業の再編が始動 NTTは2025年12月、公共交通分野に特化した自動運転支援会社「NTTモビリティ」を発足させた。路線バスやオンデマンドバス、ロボットタクシーなど、事業者が運営する交通サービスを主な対象とする。従来、NTT東日本、西日本、NTTドコモビジネスなどが個別に担ってきた自動運転関連の取り組みを集約し、事業基盤を一本化した。バス運転手不足が深刻化する中、地域公共交通の維持を支える役割を担う。 導入から運行までを担う統合モデル 自治体が自動運転車両を導入するには、地域公共交通会議での調整やルート設計、車両・システム選定、実証実験など複数の工程が必要となる。NTTモビリティは、こうした一連の工程をまとめて支援する体制を整えた。車両調達、導入・運用支援、遠隔モニタリングを3本柱とし、運行開始後の監視や保守までを含めて提供する。これにより、自治体側の負担軽減を図る。 技術は外部連携、開発は行わない方針 同社は自動運転システムや車両を自社で開発しない点を明確にしている。米May Mobility、ティアフォー、Navyaなど複数のベンダーと連携し、地域条件や用途に応じて最適な技術を選定する。特定の技術に依存しないことで、急速に進化する自動運転分野に柔軟に対応する狙いがある。日本の道路環境への対応が必要な場合は、ベンダー側に改良を求める形を取る。 2028年度にレベル4体制を確立 NTTモビリティは2028年度までに、特定条件下で完全自動運転を行うレベル4のサービス体制を整える計画だ。まずは路線バスでの実装を進め、その後オンデマンド型やロボットタクシーへと範囲を広げる。遠隔モニタリングでは、AIを活用し1人のオペレーターが約10台を監視する運用を目指す。実証実験の知見を共通基盤に反映し、効率的な展開を図る。 1,000台規模を視野に全国展開を加速 2030年代には1,000台規模の自動運転車両の運行支援と、数百億円規模の収益確保を目標に掲げる。国土交通省が掲げる2030年度のレベル4車両1万台という目標の中で、一定のシェア獲得を目指す構えだ。NTTグループが過去に実施した35件以上の実証成果を生かし、全国展開を本格化させる。

海底ケーブル敷設船公開で安全保障強化が焦点に

国際通信支える装備を報道陣に公開 NTTワールドエンジニアリングマリンは12月11日、横浜港に寄港した海底ケーブル敷設船「SUBARU」を報道関係者に公開した。海底ケーブルは国際通信量のほぼ全体を担い、日本の通信基盤を維持する要となる。船内では敷設装置や浅海域での埋設に用いられる機器が披露され、運用現場の実態が示された。重要インフラとして注目が高まる中、同社は海底敷設の工程や保守体制を丁寧に説明し、通信需要が増す状況に対応する姿勢を示した。 大型敷設船の特徴と作業体制が明らかに SUBARUは全長124メートル、総トン数9557トンの大型船で、これまでに国内外で約5万1000キロのケーブル敷設に関わってきた。同社は3隻の敷設船を運用し、故障修理にも対応する体制を整えている。浅い海域では投錨や漁業活動による損傷を防ぐため、ケーブルを海底下に埋め込む作業が不可欠となる。公開されたロボットは溝を掘りながら埋設を進める仕組みで、海底環境に応じた調整が求められる。船員は6時間交代で作業を行い、張力管理を含む緻密な操作が必要となる。 新型敷設船建造の検討が進む背景 公開と同時に、同社がSUBARU級の新型敷設船の建造を検討していることも明らかになった。SUBARUは1999年建造で老朽化が進んでおり、海底ケーブルの需要増や保守案件の増加に対応するには新たな能力が必要とされる。世界では約570本、総延長148万キロ以上の海底ケーブルが利用され、動画視聴やAI普及に伴う通信量急増が続く。国内通信を支える企業が自社運用能力を確保することは、経済安全保障の強化にも直結する。 官民連携で強まる供給体制の再構築 海底ケーブルは国際連携を支える基盤であり、切断や損傷は経済活動に直結する。日本政府はルート多重化や保守網の強化を進め、敷設船確保を支援する姿勢を示した。令和7年度補正予算案には海底ケーブル防護策の調査費として3億円を計上し、国内事業者の体制強化を後押しする。世界的には中国企業を含む競争が激化し、欧州ではフランス政府が大手ケーブル企業の株式取得に動くなど、国家的な関与が進んでいる。 重要インフラとしての位置づけが一段と強まる 日本の国際通信の99%は海底ケーブルに依存しており、安定運用は不可欠だ。技術競争と需要拡大が進む中、敷設能力の維持と更新は長期的な課題となる。NTTグループは今後も保守や敷設の実績を生かし、国内外の需要に応える方針だ。公開された設備と説明は、国際通信を支える基盤が高度な技術と継続的な投資によって支えられている現状を示すものとなった。

国産AIの新基準「tsuzumi2」登場 NTTが独自技術を発信

生成AI分野で新たな一歩 NTTは10月20日、自社開発の生成AI基盤「tsuzumi(つづみ)2」を発表した。初代モデルから改良を重ね、特に日本語処理能力と業種別最適化性能を強化。金融、医療、自治体など、専門知識を必要とする分野に対応できるよう設計されている。NTTはこの技術を通じて、安全かつ効率的なAI環境を国内外に提供することを目指す。 国際的AI覇権争いへの一石 世界では米国と中国がAI分野で主導権を競っているが、NTTは国産モデルの開発によってこの流れに挑む姿勢を示した。東京都内で会見した島田明社長は「AIを自国技術で確立することが安全保障にも直結する」と強調。AIの依存構造を変える一手として注目されている。 技術仕様とコスト効率の進化 つづみ2はパラメーター数300億を誇り、日本語の文脈解析能力では海外モデルを上回る精度を達成したという。また、GPU1基で動作可能な構造により、システム運用コストを大幅に削減。装置価格は約500万円とされ、従来の大規模AIよりも手軽に導入できる点が企業導入を後押ししている。 業界別特化と機密性重視 NTTは、特定業界の業務データを活用してAIを最適化する「特化型モデル」を重視。金融や医療、自治体での利用を想定し、情報保護と機密性の高い運用環境を提供する。国内企業が安心してAIを導入できるよう、セキュリティ設計とデータ管理体制を強化している。 事業規模5,000億円へ拡大方針 同社は生成AI関連事業の受注額を2027年までに5,000億円へ拡大させる計画で、現在すでに国内外で1,800件以上の案件を獲得。BMWなど海外企業からの引き合いもあり、国際展開も進んでいる。NTTはAI技術を次世代産業の中核と位置づけ、日本発のAIモデルとしての存在感を強めていく。

日本企業12社、米核融合ベンチャーへ共同出資

次世代エネルギー開発に日本勢が参画を発表 米国の「コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)」は9月3日、東京都内で開いた記者会見で、日本の大手企業12社から出資を受けたと発表した。三菱商事や三井物産、関西電力、NTTなどが参加し、出資額は数十億円規模に達すると見込まれる。核融合発電をめぐる開発競争が国際的に加速する中、日本企業が積極的に関与する体制が整った形となった。 巨額調達でCFSが示した成長戦略 同社は今回、日本企業を含む投資により8億6300万ドル(約1300億円)の資金を確保したと説明した。CFSは2018年に創業し、これまでに総額4000億円以上を調達済みである。今回の出資を追い風に、27年の米マサチューセッツ州での実験炉建設や、30年代に計画されるバージニア州での送電開始へ備える狙いがある。 日本企業のねらいと技術獲得への期待 出資した日本企業は、資金だけでなく人材の提供を通じて開発を後押しする方針だ。商社や電力会社は、核融合の商業化を後押しすることで自国のエネルギー安全保障を強化するとともに、先端技術の知見を取り込むことを重視している。三菱商事の平田智則・電力事業開発本部長は「最先端のプロジェクトに加わることで、課題を早期に把握できる点が重要だ」と強調した。 CEOが語る日本との連携の重要性 会見したボブ・マムガードCEOは「新しい産業の創出には多様なスキルの結集が欠かせない。世界各地で発電所を建設するにあたり、日本企業の参加は極めて意義がある」と述べた。日本勢の関与は、単なる出資にとどまらず国際的な事業展開における信頼性向上にもつながるとみられている。 国際競争の中で問われる日本の役割 核融合発電は二酸化炭素を排出せず、使用済み燃料の課題も少ない次世代エネルギーとして注目される。欧米や中国が研究開発を急ぐ中、日本企業の出資は世界的な競争での存在感を確保する一手となる。政府も30年代の発電実証を目標に掲げており、民間との連携がカギを握る局面に入っている。