改良モデル投入にもかかわらず台数は前年割れの予測
2025年4〜6月期の納車台数を2日に発表予定のテスラは、前年同期比で11%超の減少が見込まれている。アナリスト23人による予測の平均は39万4,380台。前四半期の13%減に続くマイナスであり、回復の兆しは乏しい。
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モデルYの刷新が期待外れとされる要因
前四半期の減少理由は「モデルY」の生産停止と改良への切り替えであったが、今回の四半期も販売は回復しなかった。テスラ株を保有する投資会社のCEOであるロス・ガーバー氏は「新型と旧型の違いは小さい。需要の伸びは限定的だった」と述べており、改良型モデルが期待通りの起爆剤とならなかったことが示唆される。
政治的発言によるブランドイメージの悪化も影響
イーロン・マスクCEOの極右政党支持や、かつての連邦予算削減主導の経歴に対する不信感も、特に欧州市場での販売に悪影響を及ぼしている。こうした政治的要因による“買い控え”も、販売減少の一因とされている。
欧州・中国市場での競争激化による販売不振
欧州自動車工業会のデータによれば、2025年5月のテスラ車販売台数は前年同月比で27.9%減少。これで5カ月連続のマイナスとなった。加えて、中国市場ではより安価な現地EVとの競争が激しく、テスラのシェア確保は困難を極めている。
成長鈍化の局面に立たされるテスラの今後
オートフォーキャスト・ソリューションズのサム・フィオラニ副社長は「欧州での伸び悩みに加え、中国での価格競争がテスラにとって逆風となっている」と指摘。技術面やブランド戦略だけでは、今後の成長維持が困難になりつつあるとの見方が強まっている。