大阪・関西万博で建設費未払いが相次ぐ状況
2025年に開催予定の大阪・関西万博において、海外パビリオンの建設費用に関するトラブルが表面化している。特に中国館の建設を担当した複数の下請け業者が、代金の未払いに直面しており、現場では深刻な混乱が広がっている。
2次下請け業者が約6,000万円の未収金を主張
今回の問題で最も注目されているのは、2次下請けとして参加した電気設備会社の存在だ。同社は防犯カメラの配管工事やスプリンクラーの制御配線といった追加工事を担当したが、約6,000万円に上る費用が未払いのままとなっている。業務は期限内に完了し、不備もないとされるが、工事代金の支払いがなされていない。
支払いの滞りは上位業者間で発生していた
支払いの問題は、この電気設備会社だけにとどまらない。元請け企業から1次下請け業者への建設費が支払われておらず、その影響が2次以降の下請けにも波及している構造的問題が浮き彫りになっている。上流の契約関係に不透明な部分があった可能性が指摘されている。
「倒産寸前」と語る中小企業の危機感
9日、大阪市内で記者会見を行った電気設備会社の男性社長は、「いつ会社が倒れてもおかしくない」と発言し、資金繰りの逼迫した状況を明かした。納期通りに工事を終えたにもかかわらず報酬が得られない現実に対して、「悔しくて仕方がない」と強い憤りを示した。
万博事業の信頼性が問われる展開に
今回の未払い問題は、中国館のみならず他の海外パビリオンにも波及する懸念がある。万博という国際的な事業において、下請け業者の正当な報酬が保証されない事態は、プロジェクト全体の信頼性を損なう恐れがある。今後の支払い対応と、責任の所在を明らかにする作業が求められている。