アニメや漫画IPを軸に戦略提携を締結
ソニーグループとバンダイナムコホールディングスは7月24日、資本と業務の両面で連携を強化する方針を打ち出した。ソニーは約680億円を投じて、バンダイナムコの発行済み株式の約2.5%を既存株主から取得した。同時に業務提携契約を締結し、今後の事業展開において知的財産(IP)を核とした協業を推進する。
出資規模は1,600万株、既存株主から取得
出資は市場での新株発行によるものではなく、既存株主から1,600万株を取得する形で実施された。取得総額は約680億円に達し、ソニーにとっても戦略的な資本投資となる。ソニーの狙いは、バンダイナムコが保有する多数の人気IPに直接アクセスすることで、映像、音楽、ゲームなどの自社事業とシナジーを生み出す点にある。
コンテンツ制作と配信分野での連携を強化
今回の提携では、バンダイナムコの有するアニメ・漫画などのIPを活用した映像制作や配信サービスにおいて、ソニーと共同でプロジェクトを立ち上げる方針が示された。すでにソニー傘下にはアニメ制作会社アニプレックスや映像配信サービスがあり、それらとの連携により、IPの展開力を飛躍的に高める可能性がある。
体験型施設やグッズ展開にも注力へ
協業は映像にとどまらず、体験型エンターテインメント施設の企画・運営や関連商品の展開といったリアルな場でのコンテンツ活用にも及ぶ。IPの世界観を忠実に再現した施設の整備や、イベントとの連動を通じて、消費者との接点を増やすことが狙いだ。
IP市場での競争激化に備える動き
近年、国内外でIPビジネスの競争が激化する中、両社の提携は先手を打つ動きとも言える。ソニーはエンターテインメント領域での存在感をさらに強化し、バンダイナムコはコンテンツのマルチ展開で収益基盤の拡充を図る。提携の進展次第では、さらなる共同開発や海外展開も視野に入りそうだ。