入場券販売が黒字の基準超過と発表
大阪・関西万博協会は、8月15日の時点で入場券の販売枚数が約1866万枚に達し、売上が969億円を超えたと発表した。運営費1160億円のうち約8割を入場券収入でまかなう計画に基づき、基準とされた約1800万枚を上回ったことで、黒字化の目安をクリアした形となる。
災害リスクが運営収支に影響の可能性
しかし、台風などの自然災害による閉場や予期せぬ支出の増加といったリスクは依然残っている。協会は、運営費が完全に黒字化したと断定できない理由として、こうした外的要因を挙げている。実際に不測の事態が生じた場合、収支は簡単に赤字へ転じる恐れがあるため、慎重な姿勢が保たれている。
駐車場収入の低迷が課題と判明
また、万博会場周辺に設置された駐車場の利用が低調で、関連収入が予想を下回っている。入場券販売で一定の成果を上げた一方、付随する収益源の確保は難航していることが明らかになった。会場運営の収支を安定させるためには、こうした弱点を補う追加策が求められている。
協会は収支均衡への努力を強調
日本国際博覧会協会の石毛事務総長は記者会見で「現時点で黒字確定とは言えない」と強調した。閉幕後には施設の解体や撤去に伴う支出も予定されており、協会業務終了後の精算を経て初めて最終的な収支が決まる。こうした事情から、協会は引き続き収支均衡を目指す努力を続けると表明した。
黒字達成は閉幕後の精算次第と指摘
現段階では黒字化の目安を突破したものの、最終的な結果は閉幕後に行われる精算に委ねられている。入場券販売の好調が今後の収支にどこまで反映されるかは、災害リスクや関連収入の動向に大きく左右される見通しだ。