市場競争阻害を理由にアップルとオープンAIを訴訟
米起業家 イーロン・マスク が率いる xAI は、アップル と オープンAI を相手取り、南部テキサス州の連邦裁判所に訴えを起こした。両社が市場を支配し、自由競争を妨害していると指摘している。請求は反トラスト法違反を根拠とし、数十億ドル規模の賠償を求めている。
iPhoneへのChatGPT導入が争点に
xAI は、ChatGPT が iPhone に標準搭載されたこと自体が問題だと主張している。利用者は他社のAIを選択する自由を奪われ、同社の「グロック」など競合製品が市場から締め出されていると訴えた。こうした提携は競争を封じる「独占的合意」に当たると強調した。
市場シェア80%超の支配と主張
訴状によれば、オープンAIは生成AI市場で少なくとも 80%のシェア を持ち、支配的な地位を占めているという。これによりxAIのような新興勢力は市場拡大を阻まれ、ユーザーの選択肢が狭められていると指摘されている。マスク氏は市場支配の構造そのものに強く異議を唱えている。
マスク氏とオープンAIの対立の経緯
マスク氏は2015年のオープンAI創設に関わったが、その後離脱し、2023年に xAI を設立した。以来、オープンAIの サム・アルトマンCEO との対立が続いており、今回の提訴は両者の緊張関係の新たな局面となった。両者の確執が市場競争を巡る司法闘争に発展した形だ。
オープンAI側の反応と今後の展開
オープンAIは声明で、今回の提訴を「マスク氏による継続的な嫌がらせ行為」と強く非難した。アップルは現時点で公式なコメントを出していない。市場独占を巡る法廷闘争は、AI業界全体の競争環境に大きな影響を与える可能性があるとみられる。