和歌山で始まった新たな養殖手法
回転ずし大手のくら寿司は、和歌山県由良町の自社養殖場において、有機飼料を用いたハマチ養殖へ人工知能を導入した。オーガニック水産物へのAI活用は国内で初めてとされ、従来の養殖管理にデジタル技術を組み合わせることで、生産効率と品質の両立を目指す。
AIが担う給餌管理の仕組み
導入されたシステムは、魚の動きや食欲の状態を解析し、給餌の量やタイミングを自動で判断する。生けすの状況は遠隔から確認でき、現場に頻繁に出向く必要がない。これにより、給餌作業の省力化と管理精度の向上が実現した。
有機飼料特有の課題と改良
有機用の餌は水分量が多く、従来型の自動給餌機では詰まりやすいという課題があった。くら寿司は排出口構造を改良し、この問題を解消した。技術的な調整を重ねたことで、有機養殖とAI制御を同時に運用できる環境が整った。
効率化がもたらす生産効果
AI給餌により、餌の使用量は約3割、養殖作業に伴う燃料消費は約3分の1削減できる見込みだ。適切な給餌管理は魚体の肉付き改善にもつながり、品質面での安定化が期待されている。
将来を見据えた供給体制づくり
現在の生産量は年間約110トンで、2027年には約160トンへ拡大する計画が示されている。漁獲量減少が続く中、デジタル技術を活用した養殖の高度化は、安定調達を支える重要な基盤となる。
