耐久財受注が増加、企業の前倒し発注が要因に
2025年2月の米耐久財受注は前月比0.9%増となり、市場予想(1.0%減)を大きく上回った。1月の受注は3.3%増と上方修正されており、2カ月連続での増加となった。
この伸びは、米国政府の関税措置を受け、企業が価格上昇を見越して設備機器の発注を前倒ししたことが背景にある。経済成長の減速が指摘される中、第1四半期の設備投資を押し上げる可能性がある。
コア資本財は減少、設備投資の先行きは不透明
航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は、前月比0.3%減と市場予想(0.2%増)を下回った。
1月の数値は0.9%増と上方修正されたものの、2月の減少は設備投資の停滞を示唆している。一方で、コア資本財の出荷は前年同月比0.9%増と、1年間で最大の伸びを記録した。
企業の設備投資意欲は依然として見極めが必要であり、関税政策が今後の動向に大きな影響を与える可能性がある。
関税措置による経済活動への影響
ドナルド・トランプ大統領の政権下で発表された一連の関税措置により、企業の発注行動に変化が生じている。
FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、「企業は関税発動を静観するのではなく、価格上昇を見越して早めの発注を行っている」と指摘する。
しかし、この動きが持続的な経済成長を促すかどうかは不透明であり、関税の影響が設備投資の伸びを抑制する可能性もある。
業種別の受注動向、航空機関連は減少
業種別に見ると、一次金属(1.2%増)、金属加工製品(0.9%増)、電気機器・部品(2.0%増)、機械(0.2%増)、輸送機器(1.5%増)、自動車・同部品(4.0%増)、防衛航空機・同部品(9.3%増)など、多くの分野で受注が増加した。
一方、民間航空機の受注は5.0%減少し、航空機市場の動向が注視されている。
ボーイングの受注が大幅減少、航空機市場の課題
米航空機大手ボーイングの発表によると、2月の航空機受注は13機にとどまり、1月の36機から大幅に減少した。
これにより、航空機市場の需要動向に不透明感が増しており、今後の動向が注目される。