年金改革の修正案が審議入り、法案成立へ前進
28日、衆議院厚生労働委員会にて、自民党・立憲民主党・公明党が提出した年金制度改革法案の修正案が審議入りした。法案は、将来的な基礎年金の給付水準の著しい減少に対する対策を明文化しており、今国会での成立が視野に入っている。
財源論議は次回以降に持ち越しの方針
今回の修正案では、給付水準の底上げに必要な財源として厚生年金の積立金および国費の活用が記載されているが、具体的な金額や調達方法についての議論は次回以降に先送りされた。制度設計の方向性を優先し、まずは法的根拠を確保する姿勢が取られている。
与党提案に一部野党が反発、採決時期にずれも
与党は30日の質疑を経て迅速な採決を目指す構えだが、立憲民主党を除く他の野党が手続きの拙速さに懸念を示しており、与野党間での調整が今後の焦点となる。採決の時期と方法については、さらなる協議が必要とされている。
支給額減少への緩和措置も明記
修正案には、厚生年金の支給額が一時的に減るケースへの緩和策も含まれている。これにより、積立金の活用によって不利益を受ける可能性のある層への配慮がなされており、制度改正による影響を最小限に抑える設計が意図されている。
少子高齢化時代の年金制度見直しが加速
基礎年金の給付水準は、少子化と高齢化の進行により、現行より約3割低下するとの予測がある。こうした将来の懸念に対し、政治的な合意形成が進んだことは、年金制度改革の重要な転換点といえる。制度の安定性確保に向け、今後も議論が継続される見込みだ。