消費税ゼロと一律給付で家計支援を明示
立憲民主党は6月10日に参院選の公約を公表し、2026年4月から食料品の消費税を時限的に撤廃する方針を打ち出した。あわせて、導入までの措置として、国民全員に2万円を給付する「食卓おうえん給付金」も盛り込んだ。給付には所得制限を設けない構えだ。
財源は政府基金と為替特会剰余金を想定
減税および給付の財源については、政府の各種基金の取り崩しや外国為替資金特別会計の剰余金の活用を検討している。物価高騰への迅速な対応を可能にする財政措置として説明されており、実現可能性が重視されている。
農業支援とガソリン税の見直しも盛り込む
公約では、農政改革として「食農支払」制度の創設も掲げられた。これは農家への直接交付金制度で、持続可能な農業経営の支援を意図する。また、ガソリン税における暫定税率の撤廃を提起し、エネルギー価格の抑制策として位置付けている。
社会保障と住宅支援策を明確化
年金制度では、就職氷河期世代を含む現役世代に対して、厚生年金と国民年金の支給水準を引き上げる「底上げ」の実現を目指す。また、中低所得層を対象にした家賃補助制度の創設も公約に加えられた。生活基盤の強化を通じた格差是正を訴える。
政治・外交分野でも改革姿勢を強調
選択的夫婦別姓制度の導入や企業・団体献金の禁止など、政治改革に関する訴えも繰り返された。外交・安全保障では、トランプ米政権の関税政策に対抗する形で自由貿易の推進を掲げ、安全保障関連法のうち違憲とされる部分の撤廃も明記された。