価格高騰に一息、政策の効果が顕在化
記録的な高騰を続けていたコメの店頭価格が、ついに下落基調へと転じた。農林水産省が発表した最新のデータによると、政府による備蓄米の放出などが奏功し、価格が大幅に下がっている。
全国平均価格、3か月半ぶりの3,000円台に
6月9日から15日までの期間に全国のスーパーで販売されたコメ5kgあたりの平均価格は3,920円だった。前週の価格から256円の減少となり、4週連続での値下がりとなった。平均価格が3,000円台に戻るのは約3か月半ぶりである。
備蓄米の販売拡大が価格下落を促進
今回の価格低下の背景には、政府備蓄米の随意契約による市場投入がある。さらに、店頭には備蓄米を含んだブレンド米の割合が増加しており、これが市場価格の安定化を後押ししている。農水省によれば、平均価格が前週比で100円以上下がるのは初の事例であるという。
政府目標に近づくも、予断は許さず
石破首相はかねてより「米価を3,000円台に戻す」という目標を掲げていた。今回の下落でこの目標に近づいたが、小泉農相は「ここで手を緩めるべきではない」と指摘し、依然として市場の注視が必要であるとの見解を示した。
政策効果の持続性が今後の焦点に
一時の沈静化は見られるものの、持続的な価格安定にはさらなる対応が不可欠である。消費者と生産者の両立を図るバランスのとれた市場形成が、今後の鍵を握ることになりそうだ。