自動車関税の引き下げが両国の合意に直結
日本とアメリカは7月22日、関税政策を巡る交渉で合意し、自動車を含む幅広い製品にかかる関税が大きく見直されることとなった。特に注目されるのは、自動車に対して予定されていた25%の関税を15%に削減する決定である。このうち12.5%は新たな課税分で、既存の2.5%と合わせて15%となる。これにより、日本からの自動車輸出のコストが軽減される見通しとなった。
80兆円規模の対米投資と農産品の輸入増
トランプ大統領のSNS投稿によれば、日本は約80兆円(5,500億ドル)相当の対米投資を行うとされる。投資内容には、米産コメの輸入量を75%増加させるなどの農産物関連の項目も含まれる。また、日本政府はアメリカ製航空機の購入にも踏み切り、ボーイング社製の航空機を100機購入する契約を結んだ。
軍事装備と防衛予算の増額を発表
今回の合意には、経済分野にとどまらず安全保障面での協力強化も盛り込まれている。日本はアメリカとの連携を強化する一環として、数十億ドル規模の米国製軍事装備を購入するほか、年間の防衛費を140億ドルから170億ドルに増額する計画を明らかにした。こうした軍事的支出の拡大は、米国側の関税譲歩と相互補完的な役割を果たしている。
一部の製品関税は現行維持、協議継続へ
協定により、15%未満の関税が課されていた製品はすべて一律で15%に統一される一方、それ以上の関税が課されていた製品については現行水準が維持される。鉄鋼やアルミニウムには引き続き50%の関税が適用される。また、医薬品や半導体については今後の協議で詳細が決定される予定で、引き続き両国間の交渉は継続される見通しとなっている。
政府首脳が合意の意義を強調
石破首相はこの合意について「日米双方の利益に合致する内容」と述べ、赤澤経済再生担当大臣も交渉結果を肯定的に評価した。トランプ大統領は「歴史上最大の貿易合意に署名した」と強調し、特にコメや農産物分野での日本の市場開放を高く評価した。