上半期輸出額が15.5%増と過去最高を記録
2025年1〜6月期における農林水産物・食品の輸出額は8097億円となり、前年同期間比で15.5%の伸びを示した。農林水産省は、上半期として過去最高額を更新した背景に、訪日観光の拡大や世界的な和食需要の高まりがあると述べている。
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米国向け輸出が22%増 関税影響は限定的
アメリカ向け輸出は22%増の1410億円となり、上半期として過去最高を更新した。ホタテ貝や緑茶、ブリの輸出が特に伸び、輸出額全体の18.6%を占めた。4月に発動された相互関税にもかかわらず、駆け込み輸出や反動は確認されていない。
ホタテや緑茶が大幅増加 19品目が最高額更新
品目別ではホタテ貝が45.4%増の約350億円、緑茶が65.3%増の約263億円となり、いずれも過去最高を記録した。抹茶の需要増が欧米や東南アジアで広がり、ラテや菓子への利用が輸出拡大に寄与した。
中国の輸入停止が転機 ベトナムやタイにシフト
中国による日本産水産物の輸入停止が続く中、アメリカやベトナム、タイ向けの輸出が増加した。特にホタテ貝は、中国市場から他国市場への転換が功を奏した。これにより、供給先の多角化が進んでいる。
関税引き上げ後の動向が焦点に
8月7日からアメリカが農林水産物を含む関税を15%に引き上げる予定であり、今後の輸出動向が注目される。農林水産省は、これまでの成長を維持するため、関税の影響緩和策が重要になるとみている。