インフレ鈍化と雇用減速で利下げ決定
オーストラリア準備銀行は8月12日に開かれた理事会で、政策金利を0.25ポイント引き下げ3.60%とする決定を全会一致で下した。今年に入って3度目の利下げとなり、金利水準はおよそ2年ぶりの低さに達した。判断の背景には、インフレ率の着実な低下と労働市場の緩やかな減速がある。
CPIが4期連続で目標範囲内に収束
2025年4~6月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で2.1%上昇し、4四半期連続で2~3%というRBAの目標範囲内に収まった。この安定した物価の推移が、今回の利下げ決定を後押ししたと考えられる。
豪中銀総裁、今後の利下げ継続に含み
ブロック総裁は理事会後の会見で、経済成長と雇用の持続的な改善には現状より低い金利が必要となる可能性を指摘した。さらに、今後の会合ごとに経済データを精査し、必要に応じて数回の利下げを実施する可能性があるとの見解を示した。
金融市場の反応と見通し
為替市場では豪ドルが0.2%下落し、1豪ドル=0.6508米ドルとなった。スワップ市場では9月の追加利下げの確率は34%と見込まれる一方、2026年初頭までに3.10%まで低下するシナリオが織り込まれている。
専門家の評価と今後の焦点
市場関係者の間では、インフレ抑制と雇用安定を両立するための適切な措置との評価がある一方、経済が急速な利下げを必要とする段階ではないとの意見もある。今後の焦点は、失業率の推移とインフレの持続的な鈍化に置かれる。