日本郵便で全国的に点呼不適切、改竄も確認
日本郵便が配達員の酒気帯び確認などを行う点呼を適切に実施していなかった事実が、全国の郵便局で相次いで判明した。トラック事業では既に国土交通省による許可取り消し処分を受けているが、調査の結果、バイクを使用する配達業務においても点呼の不備や記録改竄が確認された。バイクは法規制の対象外であるため、直接的な処分は行われないものの、管理体制の不十分さが浮き彫りとなった。
トラック事業で許可取り消し
6月、日本郵便が運行するトラック約2500台で点呼の不適切運用が確認され、国土交通省は運送許可を取り消した。さらに3万台を超える軽自動車事業についても行政判断が進められており、郵便事業全体の信頼は大きく揺らいでいる。
バイク業務における管理不足
根岸一行社長は会見で、全国的に帰局時のチェックが徹底されていなかったことを認め、「不備の内容はトラックと大同小異」と説明した。郵便配達に利用されるバイクは約8万3000台にのぼり、多くの国民生活に密接に関わる重要な業務である。点呼不備がバイクにも及んでいたことは、内部管理の構造的問題を示している。
郵便サービスへの影響を回避
根岸社長は、処分後も「従来通りのサービス提供を維持している」と強調した。また、今後軽自動車事業に処分が及んだ場合でも、他社への業務委託や郵便局間の応援体制を活用し、全国の郵便サービスに影響が出ないよう調整すると説明した。利用者への影響を最小限に抑える姿勢を示した形だ。
日本郵便 点呼不備の全国調査 8月中に最終結果発表
現在、日本郵便は各地の郵便局で点呼の実態調査を行っており、その報告は8月中に発表される予定だ。既に6月の時点で10万件以上の不正記録が確認され、さらなる問題が出てくる可能性が残されている。管理体制の全面的な改革が急務となっている。