大手行の貸出基準金利が3カ月ぶりに引き上げ決定

長期金利上昇を受けたみずほ銀行の対応が発表

みずほ銀行は9月9日、長期プライムレート（長プラ）を従来の2.2％から2.3％に引き上げると公表した。引き上げ幅は0.1％で、3カ月ぶりの見直しとなる。適用は10日から開始され、背景には長期金利の上昇傾向があるとされている。

近時、国内の国債や社債市場では利回りが上昇しており、企業の資金調達環境に変化が生じていた。政治的な不透明感や日銀による追加利上げへの警戒感が金利上昇を後押ししており、今回の措置はその動きを反映したものと位置づけられる。

みずほ銀行に加え、SBI新生銀行やあおぞら銀行、商工中金も同日に長プラの引き上げを発表した。主要な金融機関が一斉に動いたことで、貸出金利を巡る環境の変化が鮮明となった。

かつて長プラは住宅ローンや大企業向け融資の代表的な基準金利として広く用いられていた。しかし近年は利用が減少し、現在はTIBORや短期プライムレートに基づいて金利を設定する例が多くなっている。長プラは形式的な基準にとどまる傾向が強まっている。

今回の引き上げにより、企業の借入コストが増す可能性が高まっている。特に資金需要の大きい企業にとっては、金利上昇が収益構造や投資計画に影響を与えることが避けられない状況にある。