為替の一方向性が強まる中で財務当局の警戒姿勢が浮上する動き
片山財務相は18日の閣議後会見で、最近の円相場が短期間に下方向へ進む状況を問題視する姿勢を示した。相場が特定方向へ偏りながら速い動きを伴う局面が続いている点に触れ、変動が落ち着きを欠く水準に近づいている状況を懸念した。過度な振れや秩序が保たれない展開に対しては、市場環境の安定性を確保する観点から慎重に対応する姿勢が示された。
円安と長期金利の高止まりが同時に顕在化した動きが続く
同日の東京市場では、円相場が155円台前半まで下落し、2月以来の円安圏に戻った。一方で新発10年国債利回りは1.75%まで上昇し、約17年半ぶりの高水準に到達した。為替と金利の両方が大きく動く展開となり、国内市場の不安定さが確認された。こうした状況は、政府が検討する経済対策の大きさが意識され、財政の重さが売り圧力につながっているとの受け止めにつながった。
経済対策の規模観が市場の値動きに影響する構図がうかがえる
政府が取りまとめを進める総合経済対策について、片山氏は規模が積み上がっているとの認識を示した。市場ではこの動きが財政面への負担を強めるとの見方が広がり、国債価格の下落や円安に結びついている状況がみられる。対策の内容が大きくなるほど、財政に関する市場の受け止めが変化し、それが国内金融市場の動きに反映される展開が続いている。
GDPの減少が対策実施の根拠として示された動きが位置付く
内閣府が発表した7〜9月期の実質GDPは6四半期ぶりにマイナスに転じた。輸出の落ち込みが影響し、景気の下押しが確認された状況となった。片山氏はこの経済状況を踏まえ、対策を講じる理由が存在すると説明した。景気を支える必要性が明確になったことで、政府が対策の規模や方向性を見定める局面が続いている。
円と国債の信認維持を図る政府姿勢が問われる局面が続く動き
片山氏は市場を注視し、円と国債の信認を維持する考えを強調した。為替と金利の動きが大きい状況において、安定性を確保する姿勢が求められ続けている。経済対策の策定が進む中で、市場の動きと政策判断が密接に並行する局面が続き、政府の対応がどのように市場の安定につながるかが注目されている。
