NISA投資額、政府の目標を大幅に超過
2025年2月末時点で、NISA(少額投資非課税制度)を利用した投資の累計額が56兆5000億円に達した。これは、政府が2027年までの目標として掲げていた56兆円を3年前倒しで達成したことを意味する。NISAの制度拡充により、投資環境が大幅に改善されたことが背景にある。
制度拡充が投資額急増の要因に
政府は2022年に「資産所得倍増プラン」を発表し、NISAの投資額拡大を目標に掲げた。その後、2024年から制度が大幅に改正され、年間の投資上限額の引き上げや、非課税期間の無期限化が実施された。これにより、個人投資家の関心が一気に高まり、2024年だけで20兆円近くの投資額増加が見られた。
NISA口座数の増加ペースは鈍化
NISAの口座数は2024年12月時点で約2500万口座に達したが、政府が目標としている3400万口座には依然として届いていない。投資額の増加に対して、口座開設のペースがやや鈍化していることが課題として浮上している。
日本証券業協会、金融教育の必要性を強調
日本証券業協会は、NISAの利用促進には制度の周知だけでなく、金融リテラシー向上が不可欠だと指摘している。個人投資家のすそ野を広げるため、今後は金融教育の強化が求められる。
今後のNISA制度の展望
NISAはすでに日本の個人投資において重要な役割を果たしており、今後の制度改善によってさらに利用が拡大する可能性がある。政府の目標達成後も、より多くの投資家が参加しやすい環境を整えることが重要となる。