投資非課税制度の対象拡大が判明
金融庁は2026年度の税制改正要望で、少額投資非課税制度(NISA)の対象を全世代に広げる方針を固めた。従来は18歳未満が対象外だったが、つみたて投資枠においても年齢制限を撤廃する方向で見直しを進めている。これにより、子どもから高齢者まで一貫した資産形成の仕組みを利用できるようになる見通しだ。
貯蓄から投資への流れ加速を狙う
この制度拡大は、家計資産の運用を促進し「貯蓄から投資へ」の流れを一層強めることを目的としている。特に若年層への早期投資機会の提供や、高齢者が老後資金を補う手段としての利用が想定されている。資本市場への参加者層が広がることで、日本の投資文化の定着も期待されている。
暗号資産取引の課税制度修正を金融庁が提示
要望には暗号資産の売買に関する課税制度の見直しも盛り込まれた。特にビットコインなどを対象とした従来の課税方式の是正が検討されており、投資環境の整備と透明性向上を目指す。金融庁は8月末までに財務省に提出し、年末にかけて与党との調整を進める。
高齢者向け投資商品の対象化
金融庁は高齢者が利用しやすい商品もNISAの対象に含める方向で検討している。具体的には運用益の一部が毎月分配される投資信託が候補とされ、定期的に収入を得たいという高齢者のニーズに対応する。元本割れのリスクに配慮しつつ、年金の補完的な役割を果たす商品設計が求められている。
制度改正の今後の見通し
今回の要望は、財務省への提出後、与党内で協議され年明けの通常国会で関連法案成立を目指す。実現すれば、日本の投資環境における大きな転換点となり、幅広い世代が資産運用を通じて安定した家計基盤を築く可能性が広がる。