株価の見通しは慎重な予測が多数
マネックス証券は、2025年3月7日から10日にかけて個人投資家を対象にアンケート調査を実施し、今後の株式市場やセクターごとの見通しをまとめた。調査結果によると、2025年の日経平均株価の高値予想では「41,000円未満」が最多であり、全体の58.1%を占めた。一方、安値予想では「34,000円未満」が27.9%と最も多かった。
米国市場に関しても同様の慎重な姿勢が見られ、ダウ平均株価の高値予想は「46,000ドル未満」が38.7%、安値予想は「39,000ドル以上40,000ドル未満」が37.8%と、全体的に堅調な動きを予測する声が多かった。
日本と米国のセクター別業況DIの明暗
日米の各セクター別業況DI(景気動向指数)においては、日本では「銀行」セクターが40.5と最も高い数値を記録した。一方で、「自動車・輸送機」セクターは-36.2と最低値を示し、業績への不安が大きいことが伺えた。
米国では「エネルギー」セクターが26.1と最高値を記録し、依然として強い市場への期待感が見られる。一方、「不動産」セクターは-13.3と最低値を示し、金利動向の影響を受けやすい状況が続いている。
エヌビディアの株価見通しにも慎重な見方
半導体大手エヌビディア(NVDA)の今後3か月の株価動向については、「変わらない」と予測した投資家が37.3%と最多を占めた。また、「下落する」との見方も33.7%に上り、過熱感の警戒がうかがえる。
NISA口座の利用状況と投資戦略
新しいNISA制度が始まった2024年以降、NISA口座の開設率は9割を超えており、多くの投資家が制度を活用していることが分かった。特に成長投資枠の投資予定金額では、「200万円以上」と回答した割合が39.0%と最多であり、積極的な投資姿勢が見受けられる。
また、成長投資枠での保有銘柄に関しては、4割以上が10年以上の長期保有を予定していることが明らかになった。短期での売却を考える投資家はごく少数にとどまり、安定した成長を見込む投資家が多いことが分かる。
一方で、NISA口座を開設していない理由として「利用するメリットが分からない」が最多となっており、投資教育の重要性が浮き彫りになった。
為替市場への見通しは円高予測が増加
為替相場については、今後3か月の米ドル/円相場に関し「円高になる」と回答した投資家が65%と大幅に増加(前回比+32%)。反対に、「円安になる」との予測は17%(前回比-22%)と大きく減少しており、日米の金利動向が影響を及ぼしている可能性がある。
また、「変わらない」との見方は17%にとどまり、市場の変動を見込む投資家が多いことが分かる。円高の進行が予想される中、今後の為替動向とそれに伴う投資戦略の変化に注目が集まる。
今回の調査結果からは、株式市場や為替市場に対する慎重な投資家心理が反映されている。市場の不安定さを背景に、今後の動向に一層の注目が集まることになりそうだ。