景況感が予想を大きく下回る結果に
米フィラデルフィア連邦準備銀行が16日に発表した10月の製造業景況指数はマイナス12.8と、市場予想のプラス10を大幅に下回った。前月のプラス23.2から急低下し、製造業活動が再び縮小局面に入ったことが明らかになった。
価格上昇圧力が続く構図
企業の仕入れ価格指数は49.2と上昇し、半数近くの企業が原材料コストの上昇を報告した。販売価格指数も26.8に上昇しており、製品価格への転嫁が進んでいることがうかがえる。価格下落を報告した企業は全体の1%にとどまった。
受注は増加も出荷が急減
新規受注指数は18.2と前月の12.4から上昇した一方で、出荷指数は6.0と大幅に低下した。需要の一部は維持されているものの、生産や物流面での停滞が鮮明となっている。
雇用は小幅な改善にとどまる
雇用者数指数は4.6と前月(5.6)からわずかに低下し、雇用拡大の勢いは鈍化した。企業の多くは高コスト構造の中で人員増強を慎重に進めている。
インフレ懸念再燃の兆し
原材料と製品価格の双方が上昇傾向を示す中、インフレ圧力が再び強まる可能性がある。景況感の悪化と価格上昇の並行は、金融当局にとって難しい判断を迫る局面といえる。
