日経平均が続伸、米関税の影響懸念が後退
2025年3月26日、東京株式市場で日経平均株価は前日比246円75銭高の3万8027円29銭となり、続伸した。心理的節目である3万8000円を維持し、投資家心理が改善。市場では、米国の関税政策に対する過度な警戒感が和らぎ、買いが優勢となった。
取引開始直後は前日比326円高でスタートし、その後は92円高まで値を消す場面もあったが、後場中盤には一時440円高の3万8220円69銭を記録。しかし、4月2日に予定される相互関税の詳細を見極めたいとの慎重なムードもあり、終盤は3万8000円台でもみ合う展開となった。
主力銘柄が上昇、任天堂は5%超の大幅高
日経平均の上昇を牽引したのは主力銘柄の堅調な動きだった。特に、任天堂(7974)は5%超の大幅上昇を記録し、投資家の注目を集めた。また、ソニーグループ(6758)は2%超の上昇となり、全体的に好調な動きが見られた。
一方で、値下がり銘柄も存在し、ネクソン(3659)が5%超安、三菱重工業(7011)が2%超安となった。東京ガス(9531)も2%安となり、電気・ガス、食料品、水産・農林などの業種が下落する結果となった。
TOPIXと市場全体の動向
東証株価指数(TOPIX)は、前日比0.55%高の2812.89ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数も0.55%高の1447.77ポイントとなり、市場全体で上昇基調が継続した。特に、**東証プライム市場の値上がり銘柄は74%(1212銘柄)**にのぼり、広範な銘柄に買いが入った。
売買代金は4兆2602億円に達し、市場の流動性が高まっていることを示している。業種別では、その他製品、保険、非鉄金属など27業種が上昇し、投資家の関心が高まった。
円安が市場の支えに、投資家の注目は今後の動向へ
市場関係者によると、円安の進行が日本株の上昇を下支えしている。為替市場ではドル円が150円半ばまで上昇し、輸出関連銘柄を中心に買いが集まった。楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリスト・土信田雅之氏は、「米国関税への過度な懸念は和らいでいるものの、4月2日の相互関税の詳細が不透明なため、積極的な上値追いは限定的」と指摘した。
また、日本株市場には自社株買いや賃上げといった独自の材料があり、下値を支える要因となっている。一方で、米国経済の先行き不透明感が引き続き懸念されており、慎重な取引が続く可能性がある。
日本株の今後の見通しと市場の焦点
市場では、日経平均が昨年秋以降の3万8000円~4万円のレンジに回帰する可能性があるとの見方が広がっている。ただし、4万円を突破するには米景気のさらなる回復が必要とされており、上値の重さも指摘されている。今後の市場動向は、円安の継続に加え、米国の関税政策や経済指標の発表が大きな影響を与える見通しだ。投資家は、引き続き世界経済の動向を注視する必要がある。