前日急落の反動で反発も、慎重な相場展開が続く
2025年4月1日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比6円92銭高の3万5624円48銭で取引を終え、小幅ながら反発した。前日に1500円を超える大幅な下落があった反動により、内需関連株を中心に買い戻しの動きが広がった。米国市場の反発や為替相場の円安も相場を支える一因となったが、午後には米国の関税政策に対する警戒感が強まり、買いの勢いは次第に後退した。
米国株高と円安進行が東京市場を下支え
東京市場は、前日の米国市場の流れを引き継ぐかたちで朝方から買いが先行した。3月31日のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発し、投資家心理の改善に寄与した。さらに、外国為替市場では円安ドル高が進行し、輸出関連銘柄を中心に買いが集まった。
その結果、日経平均は取引開始後に上昇幅を拡大し、一時は前日終値から400円を超える上げ幅を記録した。市場では、割安感の出た銘柄に対する短期的な押し目買いが強まったとされている。
内需株が堅調 医薬品や電力などに資金流入
前日の急落を受け、景気変動に左右されにくい内需関連銘柄に対する買い戻しの動きが目立った。特に医薬品株や電力株は堅調に推移し、相場全体の下支え役を果たした。こうしたディフェンシブセクターへの資金流入は、市場の不安定な動きに対する防衛的な対応として機能した。
一方で、外需依存度の高い銘柄では上昇幅に限りが見られ、全体としては強い回復基調には至らなかった。
米国の通商政策に対する警戒感が広がる
午後の取引に入ると、米国の通商政策に関する報道が投資家心理に影響を与えた。4月2日にはトランプ前政権による相互関税の内容が発表される予定であり、翌3日には輸入車に対する25%の追加関税が発動される見通しである。
こうした動きにより、米国と主要貿易相手国との間で貿易摩擦が激化するとの懸念が強まり、株式市場では一部銘柄への売りが広がった。結果として、日経平均は午後に下落へ転じる場面もあり、上げ幅は大きく縮小した。
今後の相場は外部環境次第 方向感に欠ける展開続く
1日の取引全体を通じて、東京市場は一時的な反発を見せたものの、明確な方向感を欠いた展開となった。東証株価指数(TOPIX)は前日比3.00ポイント高の2661.73を記録し、出来高は17億5492万株にのぼった。
今後も市場は米国経済の動向や貿易政策の発表に敏感に反応することが予想される。特に通商摩擦の行方や為替の動きが焦点となり、投資家は慎重な姿勢を維持する見通しである。