連日の株価下落、ダウ平均は389ドル安
2025年5月6日、米国株式市場は主要3指数が2日連続で下落し、ダウ平均株価は389.83ドル(0.9%)下落して40,829ドルで取引を終えた。S&P 500とナスダック総合指数もそれぞれ0.8%、0.9%下落した。これらの下落は、企業の業績見通しの不透明感や、トランプ政権の関税政策に対する懸念が背景にある。
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企業の業績見通しに対する不安が拡大
複数の企業が関税の影響を理由に業績見通しを撤回または修正している。Fordは2025年の業績予想を撤回し、関税によるコスト増を15億ドルと見積もっている。Mattelも同様に業績見通しを撤回し、Cloroxは消費者行動の変化による売上減を報告した。
Palantir株の急落、AI関連銘柄への警戒感を助長
人工知能(AI)分野で注目されるPalantir Technologiesは、四半期決算において市場予想に沿った利益を発表したにもかかわらず、株価は12%以上の大幅な下落となった。これは、AI業界全体に対する過度な期待感が剥がれ落ちつつある状況を象徴しており、投資家心理に冷や水を浴びせた格好だ。
貿易赤字の過去最大更新、市場に下押し圧力
米商務省が発表した3月の貿易統計によると、貿易赤字は1,405億ドルと過去最高を記録した。この記録的な赤字幅は、企業収益への逆風となり、米国経済の先行きに対する不透明感を高めている。こうした状況を受けて、投資家の間では安全資産への資金移動が一段と進んでいる。
FRBの政策決定を控えた市場の動向
連邦準備制度理事会(FRB)は、5月7日に政策金利の是非を判断する見通しであり、市場ではその決定が注視されている。インフレ圧力や関税政策の波及効果を踏まえ、FRBの姿勢次第で今後の金融市場の方向性が大きく左右されるとの見方が広がっている。