米関税延期と好調指標で米株が反発
米政権がEU向けの追加関税を当面見送る方針を示したほか、経済統計も市場予想を上回ったことから、27日の米株市場は全体的に買いが広がった。半導体株ではエヌビディアに買いが集中し、ダウ平均も5営業日ぶりに大きく上昇。これを受け、翌28日の東京市場も堅調に推移した。
東京市場は朝方に一時3万8000円台を回復
東京市場では、米国株の上昇を背景に買いが先行し、日経平均は寄り付き直後に3万8000円台に乗せた。特にアドテストや円安を追い風とした輸出関連銘柄が買われ、日経平均の上昇幅は一時450円超に達した。しかし、大台到達後は短期的な達成感から利益確定の売りが増えた。
午後には反落 高金利観測が重荷に
午前の上昇から一転、午後は日経平均がマイナス圏に沈んだ。財務省が実施した40年物国債の入札で利回りが過去最高となり、国内金利上昇への懸念が強まった。これにより、海外勢の株価指数先物の手じまい売りも加速した。
IT・ゲーム株が軟調、売買代金は高水準
この日の下げを主導したのは、直近で上昇していたITやゲーム関連株だった。一方、輸出関連や半導体関連銘柄には一定の買いが続いた。東証プライム市場の売買代金は約4兆2870億円と高水準を維持し、値下がり銘柄と値上がり銘柄は拮抗した。
トピックスは続伸、長期トレンドに注目
東証株価指数(TOPIX)は小幅ながら4日続伸し、終値は2769.51だった。長期的な視点では、日経平均が200日移動平均線に迫り、再び上昇トレンドを築きつつあるとの見方も出ている。