日経平均が調整色を強め、心理的節目を割り込む
週明けの7月7日、東京株式市場では日経平均が3営業日ぶりに反落し、終値は3万9587円68銭、前週末から223円20銭の下落となった。前の週に見られた上昇トレンドはここでいったん失速し、相場は一転して調整局面に突入。4万円台の大台は再び下回る形となり、上値の重さが意識された。
また、この日の東証プライム市場では、全体の約6割にあたる967銘柄が値下がりし、投資家のリスク回避姿勢が明確になった。値上がり銘柄は595、横ばいは62だった。
ソフトバンクGなど大型株が指数を押し下げ
日経平均を構成する銘柄の中でも、ソフトバンクグループ(9984)が1銘柄で23.3円分の下落要因となり、指数の下げ幅に大きく寄与した。さらに、ファナック(6954)やTDK(6762)、SMC(6273)、安川電機(6506)といった機械・電子関連株も軒並み下落し、全体相場を押し下げた。
これらは海外市場との連動性が高く、為替や米中摩擦など外部要因の影響を受けやすいセクターであり、グローバルな景気動向に敏感な投資家心理が売りを強めたと見られる。
一部ハイテク・サービス銘柄は底堅さを示す
一方で、日経平均を支えたのはリクルートホールディングス(6098)で、19.25円分のプラス寄与を記録。堅調な業績見通しや人材サービス分野での成長期待が買い材料となった。
そのほかにも、ディスコ(6146)、良品計画(7453)、ベイカレント・コンサルティング(6532)、アドバンテスト(6857)といった銘柄に資金が流入。成長期待の高い業種やディフェンシブ性のある業態に投資家の注目が集まった。
業種別騰落ではサービス系が相場を下支え
東証が分類する33業種のうち8業種が値上がりし、特にサービス業、小売業、陸運業、パルプ・紙などの分野が堅調に推移。内需主導の業態に買いが入ったことで、指数全体の下げを一定程度抑える役割を果たした。
一方、銀行業、非鉄金属、鉄鋼などは下落率が大きく、特に金融株は米国金利の先行き不透明感や国内規制強化観測が重しとなった。
投資家心理は慎重姿勢、今後の材料待ち
週明けの取引では、国内外の経済指標の発表待ちや、米国市場の動向への警戒感が根強く、投資家は一部利益確定に動いた形となった。日経平均が4万円の大台を再び回復できるかが、今後の市場の焦点となる。
とりわけ、企業決算が本格化する7月後半に向けては、業績見通しやガイダンスが株価動向に強く影響する可能性がある。市場は一時的な調整局面に入ったと見られ、選別的な物色が続く展開が予想される。