半導体株主導の米国株高が東京市場を下支え
9日の米国株式市場では、AI関連を含む半導体セクターの好業績が買い材料となり、主要株価指数が上昇。特にエヌビディアが最高値を更新し、ナスダック総合指数は3営業日ぶりに高値をつけた。これを受けて、東京市場も買い先行の期待があったが、為替の影響と国内要因が上値を抑える結果となった。
円高進行が輸出関連株に下押し圧力
為替市場では一時1ドル=145円台まで円高が進行。これが東京市場の開始直後から輸出関連銘柄を中心に売りを誘発し、日経平均は軟調な展開を余儀なくされた。円高は企業業績への逆風と捉えられやすく、投資家心理に冷や水を浴びせた格好だ。
ETF分配金捻出に伴う売りが需給に影響
この日はETFの分配に絡む換金ニーズが重なり、株式の売却が需給の悪化要因として警戒された。終値段階での正確な売り規模は示されていないが、取引中には先物を使ったヘッジ売りが散見され、株価を圧迫した。こうした需給の歪みも相場の足かせとなった。
心理的な節目「4万円」が上値を抑制
日経平均株価は今週に入り4万円の大台を意識した展開が続いており、今回の反落もこの価格帯の壁を前にした利確売りや様子見姿勢が影響している。トランプ政権による関税政策の継続も外部要因として上値を重くする材料となった。
高値圏での粘り強さも市場の底堅さを示す
一方で、終盤には下げ幅を縮めて引けたこと、また高値圏を維持しながら日足で陰線を引くにとどまった点は、市場の地合いが依然として強含んでいることを示している。調整局面として受け止める向きもあり、目先の値動きよりも構造的な底堅さに注目が集まっている。