半導体株主導でナスダックが続伸、指数をけん引
7月15日のニューヨーク市場では、ナスダック総合指数が再び最高値を記録した。主要因は、エヌビディアが中国向けに半導体製品の販売を再開すると発表したことにある。エヌビディア株はこの報道を受けて4%上昇。同業他社であるAMDやスーパー・マイクロ・コンピューターも、それぞれ6%超の値上がりを見せた。
CPIの加速が利下げ観測を鈍化させる
米国の6月CPIは前年比2.7%の上昇と、前月の2.4%から伸びが加速した。また、コアCPIも前年比で2.9%増となり、物価圧力の強まりが示された。これにより、年内の複数回利下げは難しいとの見方が強まり、投資家は慎重姿勢を強めている。
金利上昇で債券市場が変動、ドルは急伸
CPIの発表を受けて、米国債市場では10年債利回りが一時4.49%と1カ月ぶりの高水準に上昇。加えて30年債も5%を上回る水準に達した。金利上昇を背景に、外国為替市場ではドル買いが優勢となり、ドル円は148.84円と約3カ月ぶりの高値を更新した。
決算発表控えダウ軟調、S&Pも売り優勢
ナスダックが上昇する一方で、ダウ平均株価は436ドル安と大幅反落。決算期に突入する中で、関税政策の影響が企業収益に及ぶのではないかとの不安もある。特にウェルズ・ファーゴは5.5%の下落、JPモルガンも下げた。ただし、シティグループは増益決算で3.7%上昇し、明暗が分かれる結果となった。
商品市場では金と原油が下落傾向に
商品市場では、金先物価格が22.40ドル安の1オンス=3336.70ドルと続落。ドル高により割高感が意識されたためである。また、WTI原油先物も66.52ドルに下落。米国による対ロシア制裁が即時発動されなかったことで、供給不安がやや後退したことが背景にある。