米国発の好材料と新政権期待が株価押し上げ
7月24日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比655円02銭高の4万1826円34銭と大幅に続伸し、年初来高値を更新した。米国と日本の関税交渉合意が市場心理を押し上げ、前日の米国株高の流れを受けて買いが先行。日経平均は一時4万2065円83銭まで上昇し、約1年ぶりに4万2000円台を回復する場面もあった。
海外勢主導で大型株が買われる展開に
相場をけん引したのは、大型株中心の「TOPIXコア30」。上昇率は2.31%と日経平均を上回った。米関税政策による景気悪化の懸念が後退し、海外の短期筋がリスク選好姿勢を強めた。海外投資家による新規資金流入が指摘され、ソフトバンクグループ、ファストリテイリング、三菱重工などが買いを集めた。
政局の転換も株式市場に追い風
国内では、与党の参院選敗北を受けて石破茂首相が退陣の意向を固めたことが伝わり、次期政権による財政拡張的な政策への期待が株高材料として浮上した。市場では、緊縮財政からの転換を見込んだ買いが入ったとされる。
利上げ観測で銀行株に買いが集まる
TOPIXは51.17ポイント高の2977.55で取引を終え、約1年ぶりに2024年7月の最高値を超えた。金融引き締めの可能性が意識される中、三菱UFJや三井住友FGなどの銀行株が買いを集め、保険株にも資金が流入。さらに、非鉄金属、機械、サービスなど、東証33業種すべてで値上がりが広がった。
急騰の反動と警戒感も市場内に残る
一方で、短期的な利益確定売りも見られ、午後は伸び悩む場面もあった。東海東京インテリジェンス・ラボの長田氏は「過去最高値をつけた1年前と比べて金利や為替の環境は厳しい。短期筋主導の急伸には注意が必要」と指摘する。今後は経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)とともに、政局や世界的な通商動向が注視されることになりそうだ。