江藤発言への批判が拡大
石破首相が江藤拓農相の更迭を検討していることが明らかになった。江藤氏は18日の講演で「コメを買ったことがない。支援者からもらって売るほどある」と発言し、コメ不足と価格高騰が続く中での発言として批判が集中した。特に農政を担う立場の閣僚としての資質が問われている。
野党が一斉に辞任を要求
20日に立憲民主党の野田代表は党内会合で「江藤氏は任にあらず」と強く非難し、21日の党首討論で任命責任も追及する構えを見せた。これを受け、立憲をはじめ日本維新の会、国民民主党など野党5党の国対委員長が国会内で会談し、辞任を求める方針で一致した。不信任決議案の提出も視野に入れており、衆院では野党が過半数を握るため可決の可能性が高いとされる。
首相は続投を擁護も与党内に動揺
石破首相は同日の衆院本会議で「課題解決に全力を尽くさせたい」と述べ、江藤氏の続投を支持する意向を示した。発言の不適切さについては認め、「任命権者としておわびしたい」と陳謝したものの、野党の結束に抗しきれない情勢となっている。これまで野党との分断戦略で政権運営を進めてきた石破政権だが、今回は対応が後手に回った形となった。
与党内からも批判の声が相次ぐ
与党内からも江藤氏の発言に対する厳しい意見が噴出している。公明党の西田幹事長は「国民の怒りが頂点に達している中での不適切な発言」と非難し、自民党の鈴木総務会長も「政権に対する信頼が問われる状況での軽率な言動」と述べた。閣僚辞任は石破政権発足以来初で、7月の参院選を控えた今、政権にとっては大きな痛手となる可能性がある。
経歴と今後の影響に注目集まる
江藤氏は宮崎2区選出で当選8回。父も元自民党議員で総務庁長官を務めた政治家一族の出身だ。2019年に第2次安倍政権で農相に就任し、今回が2度目の登板だった。小里前農相の落選を受けての再起用であったが、不適切発言によって短期間での辞任となれば、政権全体のガバナンスにも疑問が投げかけられることになる。