災害対応の迅速化を目的とした新体制が始動
デジタル庁は5日、「災害派遣デジタル支援チーム(D-CERT)」を創設し、災害発生時に被災自治体を支援する仕組みを構築した。能登半島地震での協力実績を踏まえ、現場でのデジタル対応を迅速に進めるためIT技術者や職員を派遣できる体制を整えた。
官民連携によるデジタル人材活用の枠組み
このチームは、デジタル庁の職員と、防災分野で協働する民間事業者らが協力して構成されている。民間の先端技術と行政の現場調整力を融合させることで、災害対応の即応性と柔軟性を高めている。能登半島地震では、現地でのデジタル支援が有効に機能した事例もある。
平時と災害時で異なる役割を担う運用方針
平時には、派遣要員のリスト作成や研修実施、災害記録の整理を進める。災害発生時は、被災自治体の要望を把握し、避難所管理システムや被災者データベースの構築を行う。現地での活動を重視し、デジタルインフラの整備と迅速な復旧支援を目指す。
被災者支援システムの具体的な事例
能登半島地震では、交通系ICカードを利用した避難所入退場管理システムが導入された。このシステムにより、避難者情報の効率的な収集が可能となり、必要な支援物資の配分や避難環境の改善に役立った。D-CERTはこうした取り組みを標準化し、他の地域にも広げる方針だ。
全国自治体との連携強化に向けた取り組み
今後、デジタル庁は全国の都道府県を対象に説明会を開き、D-CERTの活動や協力体制を整備する。マイナンバーカードを活用した避難者支援や防災システム間のデータ連携基盤構築なども進め、災害時のデジタル支援を強化する狙いがある。