新型iPhoneの発表で注目集めた薄型モデル
米アップルは9月9日、カリフォルニア州で開催した製品発表会において、「iPhone 17」シリーズとともに新モデル「iPhone Air」を披露した。厚さは5.6ミリと従来より大幅に薄く、重量も165グラムに抑えられている。外装にはチタンを採用し、耐久性の向上と軽量化を同時に実現した点が特徴とされる。搭載された高密度バッテリーと最新プロセッサにより、性能面でも従来機種を上回る仕様となっている。
価格戦略と市場環境への影響
「iPhone Air」の販売価格は999ドルからとされ、アナリストの予想通り中間帯に設定された。市場では、トランプ政権による関税政策が消費者の購買力に影響するとの懸念が広がっていたが、アップルは価格を据え置く戦略を選択した。IDCのアナリストは「昨年と同じ価格で年末の買い替え需要に応えようとしている」と分析している。
アップルが「iPhone 17」シリーズ刷新を公開
同時に発表された「iPhone 17」と「iPhone 17 Pro」では、デザインの刷新が進められた。物理的なSIMカードスロットを廃止したことで、防水性が高まり、バッテリー容量の拡大にもつながった。また、上位モデルでは背面デザインが変更され、従来モデルとの差別化を図っている。販売価格は「iPhone 17」の256GBモデルが799ドルから、「iPhone 17 Pro」の256GBモデルが1099ドルからとされた。
国内外メーカーとの競争の行方
国内市場ではアップルが依然として過半数のシェアを占めるものの、シャープやグーグル、サムスン、さらにレノボ傘下で再出発したFCNTなどが追随している。グーグルはAIを活用したサービスで存在感を強めており、新興のNothing Technologyも斬新なデザインで注目を集めている。こうした動きは、アップルの独走に挑む構図を鮮明にしている。
買い替えサイクルの長期化と課題
スマートフォンの買い替えサイクルはかつての1年から3~4年へと長期化している。オールコネクトの調査では、iPhone利用者の86%が次もiPhoneを選ぶと回答しており、ブランドへの忠誠心は依然強い。ただし、新機種の販売開始に合わせて旧モデルが値下げされる傾向が強まり、最新モデルの販売が伸び悩む要因となっている。今回「iPhone 15」は発売からわずか2年で販売終了となり、アップルが最新機種を重視する姿勢を強めていることが示された。
