初の包括的AI規制が法制化
米カリフォルニア州で、人工知能開発を対象とする包括的規制が成立した。ニューサム知事は29日、最先端AIのリスク管理を義務化する法案に署名し、州として主導的役割を果たす姿勢を明確にした。
リスク評価と開示の義務付け
成立した「SB53」は、AIがもたらす壊滅的リスクを事前に評価し、その対策を公表することを義務付ける。特に人間の制御を離れる可能性や、生物兵器への悪用といった事態に対応する計画を明示しなければならない。違反すれば最高100万ドルの罰金が課される。
州経済とテック産業への影響
シリコンバレーにはオープンAI、グーグル、メタ、エヌビディアといったAI関連大手が集積している。州政府は、この新法によって安全性の確保とともに、経済におけるリーダーシップを強化する狙いを示している。
政治的意義と連邦への波及効果
知事室は「連邦議会が対応を先送りしている空白を埋めるもの」と説明。カリフォルニア州がモデルケースとなることで、全米に規制の波が広がる可能性がある。ニューサム知事は将来の大統領候補としても名前が挙がっており、その動きは全国的にも注視されている。
業界の賛否と規制の課題
AI企業関係者は「安全とイノベーションのバランスを取るもの」と歓迎する一方、投資家やベンチャー関係者からは「スタートアップには対応が困難」との懸念が表明されている。州単位の規制が全米の産業構造にどう影響するか、今後の動向が注目されている。
