オープンAIがAMDと複数年契約を締結、AI開発加速へ
米オープンAIは6日、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とAI向け半導体の供給に関する複数年契約を結んだ。契約にはAMD株の最大10%を取得できる権利が含まれ、AI分野での長期的な協力を強化する。これにより、オープンAIは依存度の高かったエヌビディア以外の調達ルートを確保し、AIインフラ拡張の安定化を図る。
年数百億ドル規模の契約でGPU供給を大幅拡充
AMDは契約の一環として、2026年後半から次世代GPU「MI450」シリーズをオープンAIに供給する。供給規模は数十万個に及ぶ見通しで、契約総額は年間数百億ドルに達する可能性がある。オープンAIはこれらのGPUを用いて新たなデータセンターを建設し、大規模言語モデルの処理能力向上を目指す。AMDはAI分野での存在感を高め、長期的な収益源の拡大を狙う。
株式取得権付与で両社の連携を深化
契約では、オープンAIがAMD株の最大1億6,000万株(発行済み株式の約10%)を1株あたり1セントで取得できるワラント(新株予約権)が設定された。株式の取得はAI半導体の導入進捗や株価目標など、複数の条件達成をもとに段階的に行使可能となる。最終段階では、AMD株価が600ドルに達した場合に行使できる仕組みとなっており、提携が成果を上げるほどオープンAIの影響力が高まる構造となっている。
株価は一時34%高、過去9年で最大の上昇率
契約発表後、AMD株は取引中に最大34%上昇し、終値でも27%高を記録した。1日の上昇率としては過去9年間で最大となる。投資家の間では、AMDがエヌビディアに続くAI半導体の主要サプライヤーに躍進するとの期待が高まっている。AMDの時価総額は約2,672億ドルに達し、AI関連分野への市場評価が急速に拡大している。
エヌビディア依存脱却とAI市場の再編が進展
オープンAIはこれまでAIモデル開発の多くをエヌビディア製GPUに依存してきたが、今回の契約により供給源の多様化が実現する。AI半導体市場ではエヌビディアが依然として優位に立つものの、AMDが技術面で追い上げる構図が鮮明になっている。アナリストらは「今回の取引はAMDの技術力を証明するもので、AIチップ市場の勢力図を変える可能性がある」と指摘している。
