三つ折り構造を採用した新端末が登場
Samsung Electronicsが、新たな三つ折りスマートフォン「Galaxy Z TriFold」の詳細を明らかにした。12月12日に韓国で販売を開始し、その後アジアや中東、米国など複数の市場に展開する計画が示された。2つのヒンジを用いた構造により、折りたたみ時は通常のスマートフォンとして扱え、開くと10型の大画面に変化する点が大きな特徴となる。この両立を目指した設計は「携帯性と作業性の融合」をテーマとして開発されたとされる。
折りたたみ機構の特徴が判明
Galaxy Z TriFoldでは、メイン画面を守るため内側に折り込む方式が採用された。開閉の動きは3つのパネルが連動し、誤った折り方を検出すると端末が警告を発する仕組みが組み込まれている。ヒンジは異なるサイズの2基を組み合わせ、全体の重量配分が不均一でもスムーズな開閉ができる設計だと説明されている。素材には耐久性を重視したチタン製のハウジングと高強度アルミフレームが使われ、折りたたみ端末に求められる強度を確保している。
大画面を活かした操作性向上が判明
完全に開いた際に現れる10型ディスプレイは、複数のアプリを縦長に並べるマルチタスク表示に対応する。資料の同時確認や作業画面の並列表示など、従来のスマートフォンでは困難だった操作が想定されている。また、直前の作業環境をタスクバーから復元できるため、電話応答などで作業が中断されても再開しやすいという。メイン画面とカバー画面はいずれもAMOLEDで、最大120Hzの表示に対応する。カバー側は6.5型で、高い視認性を確保している。
処理性能とバッテリー仕様が発表
プロセッサにはGalaxy向けに最適化されたSnapdragon 8 Eliteが採用され、メモリは16GB、ストレージは最大1TBとされた。AI処理や画像生成機能を活かす設計で、大画面を用いた編集作業に適する特徴が強調されている。バッテリーは5600mAhの3セル構造で、本体の3つのパネル内部に分散して配置されている。45Wの高速充電と15Wのワイヤレス充電に対応し、複雑な折りたたみ構造を持ちながらも一日の利用を想定した電力容量となる。
市場動向と今後の展開が焦点に
三つ折り構造のスマートフォンは、TecnoやHuaweiがすでに同様のモデルを発表しており、各社が新しい形状のデバイス投入を進めている。Galaxy Z TriFoldはこの流れを後押しする存在として位置づけられ、折りたたみ端末の新たな市場カテゴリーを形成する可能性がある。販売地域は幅広いが、日本での発売については現時点で明らかにされていない。高い処理能力と独自の構造設計が、ユーザー層にどのように受け止められるかが注目される。
