北京で軍事パレード開催が確認
9月3日、中国の首都北京で「戦勝80年」を記念する軍事パレードが大規模に行われた。習近平主席をはじめ、ロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩総書記が同席し、観覧席の楼閣にそろって登壇した。中ロ朝の首脳が一堂に会する場面は異例で、各国メディアによって生中継された。式典には20か国以上の首脳が参加し、出席国の大半は中国との関係が深い国々であった。
習主席が演説で強調した姿勢が判明
習近平主席は演説で「人類は再び平和か戦争、対話か対立の選択に直面している」と述べ、国家の主権と統一を守る決意を強調した。さらに「中華民族は威圧を恐れない」との言葉で中国の立場を示した。演説は約10年前の「戦勝70周年」式典に比べ簡潔で、軍の兵士に「強国建設と民族復興を支える力になれ」と呼びかけた。
最新兵器の公開が明らかに
式典では、大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルをはじめ、極超音速兵器や無人機などの新型兵器が次々と披露された。中国は軍備増強を国際社会に示すと同時に、国内世論に対して共産党による支配の正統性を訴える姿勢を見せた。参加した兵士は約1万人に達し、その壮大さが印象づけられた。
欧米諸国の対応と市民の反応が注目
今回の式典には欧米主要国の首脳は参加せず、中国と関係の深い国々の指導者が中心となった。北京市民の中にはテレビやスマートフォンで式典を見て「大国の力を実感した」「誇らしい」と語る声もあり、国内世論の結束を演出する効果もあったとみられる。一方で、関心を示さない市民も少なくなかった。
歴代指導者の出席状況が注目
式典には温家宝元首相や王岐山前国家副主席らが姿を見せたが、胡錦涛前国家主席の姿は確認されなかった。胡氏は2022年の党大会閉会式で退席を促される場面が話題となって以降、公の場に姿を現す機会が減っていた。今回も欠席が確認され、注目を集めた。