8月の訪日客342万人超え過去最多を記録

夏の旅行需要拡大で訪日客が急増

2025年8月に日本を訪れた外国人旅行者は342万8000人となり、前年同月比16.9％増で8月として過去最多を更新した。夏季休暇シーズンに伴い、中国、台湾、ベトナム、米国などからの旅行者が増加し、日本の観光地としての人気の高さが浮き彫りとなった。

国別では中国からの旅行者が101万8600人と最も多く、前年同月比36.5％増を記録した。次いで韓国が66万900人（8.0％増）、台湾が62万700人（10.0％増）と堅調な伸びを示した。アメリカやカナダからの旅行者も増加しており、北米市場の存在感も高まっている。

一方で、香港は22万6100人（8.3％減）と前年を下回り、4か月連続で減少した。背景にはSNS上で拡散された「日本で大規模災害が発生する」とのうわさが影響したとされる。またシンガポールは17.3％減となり、航空会社の撤退が要因とみられている。

観光庁は、今回の結果を受け「インバウンドは力強い成長を続けている」との認識を示し、引き続き地方都市への誘客を重点的に進める方針を表明した。戦略的なプロモーション活動を通じ、都市圏に集中しがちな訪問者を地方へ誘導する取り組みを強化するとしている。

訪日客数が記録を更新したことは、日本が観光立国として地位を確立しつつあることを裏付ける。中国や韓国など近隣諸国に加え、北米や東南アジアからの関心も高まりを見せており、今後も国際観光需要の動向が注目される。